デジタル人材の育成

未踏アドバンスト事業:2023年度実施プロジェクト概要(北・出本PJ)

公開日:2023年6月30日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 三木 寛文(MKマネジメント株式会社 代表取締役社長)

2. 採択者氏名

  • 北 祐樹(株式会社Gaia Vision 代表取締役/東京大学生産技術研究所 特任研究員)
  • 出本 哲(株式会社Gaia Vision 共同創業者)

3.契約金額

  • 14,400,000円

4.プロジェクト名

  • 洪水浸水予報アプリケーションの構築

5.関連Webサイト

  • なし

6.プロジェクト概要

気候変動に伴い気温や災害リスクが上昇しており、特に洪水は世界中で深刻な問題となっている。我々は、気候変動で誰も傷つかない世界を目指し、東京大学で開発された洪水シミュレーション技術を活用したリスク分析プラットフォームを開発してきた。本プロジェクトでは、長期のリスク分析にとどまらず、リアルタイムに浸水範囲や浸水深の予測が可能な実用的な洪水予報アプリケーションを開発することが目的である。

現行の洪水予報ソリューションは主に河川水位の予測にとどまり、浸水範囲や浸水深を予測するものは稀である。我々が活用する東京大学で開発された洪水シミュレーション技術は、世界中で河川水位や浸水深を計算でき、高解像度地形データを用いたダウンスケーリングにより実用的な解像度で提供可能となる。

本プロジェクトでは、まず洪水シミュレーションの精度向上開発を行い、実用性を高める。次に、過去の洪水イベントにおける精度検証を行い、技術の有効性を確認する。実用レベルの洪水予報技術をアプリ化し、自治体による避難指示等に役立てることを目指す。ユーザーとの協議を通じて、実際に必要とされるデータ精度の改善や機能開発を行う。さらに、避難指示の判断などに資する、災害の予測などの付加機能も実現する。

さらなる展望として、開発途上国を含む世界中で洪水リスクの適切な評価・対策・予報を行う仕組みを実装することで、世界的な災害リスク軽減に貢献できる可能性を見込む。

7.採択理由

提案メンバーの気候変動・洪水リスク領域における研究実績も、洪水・浸水シュミレーションに関連するプロダクト開発・実装スキルも、この領域に賭ける情熱も、揃って素晴らしい。また提案内容の技術的な未踏性も高い。事業的には、市場性を鑑みて自治体を超えたクライアント開拓やスキーム構築など事業開発上のチャレンジはあるが、事業会社の興味・関心も十分に期待できる領域。将来的には世界最高精度の気候変動・洪水予測技術のグローバル展開までを見据えて事業化を目指して欲しい。日本特有の深刻な社会課題からグローバル展開までをカバーできる、極めて社会性・未踏性の高い事業として期待している。

更新履歴

  • 2023年6月30日

    2023年度採択プロジェクト概要(北・出本PJ)を掲載しました。