デジタル人材の育成
漆原 茂
気象観測気球は航空機の巡航高度よりはるかに高い成層圏(高度約30km)に到達することができる低コストの観測装置であるが、上空気流に乗って移動し、使い捨てで運用される設計コンセプトから気象観測業務に用途が限定されてきた。
本プロジェクトはこの気球に対する制御能力を新たに追加し、運用および回収効率を向上することによって、気象観測に留まらない高高度観測システムを開発するものである。
事業期間中に気球搭載モジュールおよび地上管制システムのプロトタイプを作成し、実際に気球を使用した観測実験を行う。気球搭載モジュールには、最も利用価値が高いと想定されるアプリケーションとして高解像度の空撮システムを搭載し、航空機や人工衛星等その他手法に対する撮影解像度や運用コストと比較することで開発するシステムの優位性、新規性を検証する。また実験により得られた結果を元に具体的なユーザニーズの聞き取りを通して市場開拓を進めていく。
どうしても気球を作りたくて、ずっと夢を追い続けている素晴らしいエンジニア。高高度の観測システムを作るべくロマン溢れる提案をしてくれた。ひたすら自費で観測気球を作ってきた熱意と没頭力はまさに未踏的な人材そのものであり、提案者の夢を是非応援したい。
まずはしっかりとした観測気球を仕上げること、実用に耐えうるレベルに持っていくことを優先する。一方でビジネスサイドの検討はまだこれからなので、BA(ビジネスアドバイザー)と一緒に事業可能性の検討を加速していく。一人プロジェクトなので、課題やタスクが溢れてしまわないよう密なコミュニケーションを取り、提案者の成長を支援していく。