デジタル人材の育成
大澤 弘治
本プロジェクトでは、Ethereumブロックチェーン上でスマートコントラクトとして実装されるDapps(分散型アプリケーション)やDeFi(分散型金融)サービスを対象として、リスクコンプライアンスソリューションを開発する。暗号資産事業の運営者は、AML/CFT(Anti Money-Laundering / Combating Financing of Terrorism)などの規制に準拠する必要があるが、小規模な暗号資産関連プロジェクトにとって、この法令遵守に対する障壁は高すぎる。これは、現存のリスクコンプライアンスツールが、手頃な価格で入手できないことや、自律的に動作させたい分散型サービスに容易に統合することができないことなどが原因である。本プロジェクトの目的は、リスク対応のためのソリューションをDapps / DeFiフレンドリーな形で提供して、小規模な暗号資産関連プロジェクトがコンプライアンスを維持しながらブロックチェーンの可能性を活かしたサービス提供を行いやすくすることである。
プロジェクト期間中に、リスク情報を必要としたDappsやDeFiサービスと対話し、リスク情報を適切なデータソースに問い合わせるモジュールを開発する。このリスク情報は、ブロックチェーンに記録されたトランザクションや、ダークウェブを含むウェブ全体から発見された情報を横断的・総合的に分析し、算出する。
さらに、照会されたアドレスの実世界におけるアイデンティティ、カテゴリ、行動について洞察した結果をスマートコントラクトの開発者に手頃な価格で販売するサービスを開始して、クエリごとの従量課金制にて収益を得ることを目指す。
暗号通貨の更なる市場拡大に向けては、既存の金融システムと同様にマネーロンダリング対策、テロ資金供与防止といった法令に準拠したコンプライアンス機能が必須である。
本プロジェクトでは、イーサリアム・ブロックチェーンをベースとした自律分散型パブリケーション、分散型金融に適したリスクスコアリング、コンプライアンス・ソリューションを開発し、関連事業者にサービス提供する。
チームメンバーは、ブロックチェーン技術並びに暗号通貨ビジネスにおける十分な経験を有しており、事業期間内に計画実現可能と考える。暗号通貨市場、分散型金融市場の将来的な拡大を鑑み、採択に値するプロジェクトと思料する。