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未踏IT人材発掘・育成事業:2020年度採択プロジェクト概要(大原・青田・藤井PJ)

最終更新日:2020年6月26日

1.担当PM

  • 稲見 昌彦(東京大学 先端科学技術研究センター 教授)

2.採択者氏名

  • 大原 嶺(東京大学 大学院 学際情報学府 学際情報学専攻 修士2年)
  • 青田 香菜子(東京大学 大学院 学際情報学府 学際情報学専攻 修士1年)
  • 藤井 樹里(東京大学 大学院 学際情報学府 学際情報学専攻 修士2年)

3.採択金額

  • 2,736,000円

4.テーマ名

  • 文脈に基づいたemoji推薦とその選択インタフェースの開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請テーマ概要

本プロジェクトでは、文脈から情報を抽出することで文章に合致するemoji(絵文字)を推定・提示し、ユーザに選択をさせるインタフェースを開発する。現状emojiの入力手段としては、OSやアプリケーションに備わっているemojiの一覧から入力する方法と、文字変換を利用したものが存在する。前者は目的のemojiを探し選択する時間的コストが大きく、後者は英語圏など文字変換の無い言語圏で使用することができないといった問題点がある。

そこで本プロジェクトでは、入力した文章について文脈に合致したemojiを自動で推定し、ユーザに選択させるシステムを開発する。既にWord2Vecを用いた試作があるが、これは各単語の情報にしか着目していない。例えば逆説や二重否定などにも対応できるよう、文構造も含めて情報を抽出し、ある種文章をemojiに翻訳するようなタスクをこなすことを目指す。そして、推薦されたemojiを人間にわかりやすいように可視化し、直感的に入力することのできるユーザインタフェースを開発する。

emojiが世界中で使われ出してからまだ10年も経っておらず、最近になってemojiにまつわる研究が学際的に行われるようになってきた。その中でemojiの入力インタフェースに焦点を当て、成果を出した研究はまだ存在しないため、本システムは様々なOSやアプリケーションに組み込まれる可能性がある。本システムにより、emoji利用のハードルが下がり、多種類のemojiの利用が促進されることで、emojiを使ったよりリッチなコミュニケーションの創発が期待される。

7.採択理由

現代に蘇った絵文字・象形文字ともいえる「emoji」は日本発祥で仮名漢字以上に世界で広く使われる文字である。絵文字やピクトグラムは手書きする手間が大きいが、情報技術により簡便に記述可能となった。提案者らはemojiを愛し、emoji入力のための専用キーボードを過去に開発している。本プロジェクトは文脈や文化差を考慮しつつemojiの入力をより気軽に行うためのシステムの提案である。プロジェクト期間中に試行錯誤しつつ新たなemoji体験を提示することを期待している。

更新履歴

  • 2020年6月26日

    2020年度採択プロジェクト概要(大原・青田・藤井PJ)を掲載しました。