デジタル人材の育成
個人の経験は宝の山である。特に日常的な会話には多くの有益な情報が含まれるが、記録に残さなければ忘却によって急速に失われていく。そのため、個人の経験する情報を選別せずに蓄積する「ライフログ」の研究が進められているが、未だ広く普及するに至っていない。その理由として、データを蓄積するだけではなく、適切な検索機能と組み合わされなければ、ライフログを効果的に活用できないことが挙げられる。
本開発「ライフリサイクル」では個人の日常的な会話を積極的に再利用するために、音声認識によってテキスト化された会話情報の検索エンジンを実装する。本システムが特に効果を発揮する場面としては、ある単語に関して自分が過去に行った発言をまとめて表示することで、思考を整理したり、アイデアの創発に利用することが挙げられる。また、思い出せないフレーズや単語を想起するために、関連する単語で検索してみるといった用途に使用できる。
本開発における主要な課題は、大規模な日常会話データに対する的確な検索を実現することである。Webの発展において検索エンジンが重要な役割を演じたように、ライフログにおいても優れた検索システムが大きな躍進をもたらすことが期待される。
ライフリサイクルは日常的な会話の価値を増加させ、個人が人生をより効果的に活用できるようにする。
ICレコーダーに依存するという観点で市場での広がりでは不透明さはあるが、未踏のテーマとしては技術面そしてビジネスモデルを構築する面において挑戦的であるが試みる価値はあると考えられる。未だ競合しそうな対象はなく、未踏のテーマとしても良いと考えられる。