社会・産業のデジタル変革

ソフトウェア開発分析データ集2022

公開日:2022年9月26日

最終更新日:2023年7月1日

独立行政法人情報処理推進機構
デジタル基盤センター

ソフトウェア開発の定量データの収集、分析を行い、ソフトウェア開発分析データ集2022として公開します。

これまでに収集した5,546プロジェクトの定量データからソフトウェアの信頼性を中心に分析しました。また本編とは別に業種編3編、サマリー版、マンガ解説版、グラフデータも同時に公開しています。

概要

近年、ソフトウェアの社会システムへの適用領域の拡大に伴い、ソフトウェア開発における信頼性向上に対するニーズは高まっています。このニーズに対応するために技術者の経験と勘に頼った方法ではなく、実際のプロジェクトデータに基づいた開発プロセスの改善を行う定量的なプロジェクト管理が必要です。IPA 社会基盤センターでは、エンタプライズ分野のソフトウェア開発データを収集・分析してまとめた ソフトウェア開発データ白書(以下データ白書)を2005年から発行しています。

前回公開の2020年からこのデータ白書の装いを一新し ソフトウェア開発分析データ集2020(以下、分析データ集2020)として発行しました。今回はこれに引き続き、ソフトウェア開発分析データ集2022(以下、分析データ集2022) を公開します。

これまでに収集したデータ数は分析データ集2020で5,000件を超え、今回の分析データ集2022では5,546件になりました。この分析データ集2022では、分析データ集2020と同様に、過去のデータ白書であまり見られていない図表などは省略しコンパクトにすることで読みやすくし、開発プロセスに依存しない普遍的なメトリクスである信頼性を中心に分析しました。前回の分析データ集2020では 信頼性は向上するも生産性は低下 が特徴でした。そして、今回の分析データ集2022では 信頼性も生産性も低下 という傾向になりました。

またプロジェクト数の多い、3つの業種(金融・保険業/情報通信業/製造業)を対象に、本編の分析項目と同一の分析を行った業種編も発行します。

また分析データ集2022本編のサマリーをコンパクトにまとめ、編集可能な形式でサマリー版を公開します。これにより再利用しやすくなり、自部門などでソフトウェア開発のデータ分析の啓蒙や教育などに利用できます。

さらに分析データ集2020から引き続き、ソフトウェア開発におけるデータ分析の初心者のために、分析データ集の副読本として マンガでわかるソフトウェア開発データ分析 を公開します。4コママンガと解説からなる構成で、統計の入門やソフトウェア開発の定量データの相場観などを紹介しています。これは分析データ集が難しくとっつきにくい読者にとって羅針盤となるものです。

ソフトウェア開発分析データ集の活用メリットと主な特徴

本書の対象者

ユーザー企業およびベンダー企業でソフトウェア開発現場に携わり、プロジェクトから収集したデータの精査・分析を実施する方、開発プロジェクトデータの組織的活用サイクルを推進する管理部門の方

活用のメリット

分析データ集を外部ベンチマーク(脚注1)として活用することにより、プロジェクト計画立案時の参考にしたり、プロジェクト計画の妥当性を確認することができます。
分析データ集での分析方法や結果を参考にすることで、自社の強み、弱みを知り、組織の成熟度に応じた定量的管理を適切に進めることが可能となります。

分析例

ここでは分析データ集の分析例を紹介します。下図はSLOC規模で計測している新規プロジェクトの信頼性(リリース後の不具合密度)の散布図と箱ひげ図になります。

  • 実行SLOC実績値_図
  • SLOC規模_図

これらのデータを前回の分析データ集2020と比較すると、信頼性の低下が傾向として見られます。

ソフトウェア開発分析データ集2022

ソフトウェア開発分析データ集2022(表紙画像)

2004年から蓄積した業種全体の開発データ(5,546件)の主な要素の経年推移のグラフを掲載。 収集データのプロファイルや、ベンチマークとして使用できる基本的項目(工数、工期、規模、生産性、信頼性等)について、直近6年間のデータ1,479件から算出した分析結果を掲載。また一部のデータについては5,546件の分析結果を掲載。

活用方法
業種全体での分析結果に基づくベンチマーキング(脚注2)。

ソフトウェア開発分析データ集2022業種編3種(金融・保険業/情報通信業/製造業)

ソフトウェア開発分析データ集2022業種編3種(表紙画像)

本編と同等の基本的項目(工数、工期、規模、生産性、信頼性等)について、直近6年間のデータ1,479件から、業種ごとに算出した分析結果を掲載。

ソフトウェア開発分析データ集2022サマリー版

ソフトウェア開発分析データ集2022サマリー版(表紙画像)

分析データ集2022のサマリーを掲載。編集可能な形式で公開することで再利用が容易。

マンガでわかるソフトウェア開発データ分析

マンガでわかるソフトウェア開発データ分析(表紙画像)

データ分析一般とソフトウェア開発データ分析の入門と分析データ集の読解力を付けるために4コママンガで解説。
2023年1月17日に1編追加しました。

グラフデータ

グラフデータ(表紙画像)

分析データ集で掲載されているグラフデータを公開。
2023年1月17日に一部の項目名の変更とデータを修正しました。(この修正では各分析データ集には影響しません。詳細は正誤表を参照してください。)

ダウンロード

脚注

  1. (脚注1)
    ベンチマーク:特定のITプロジェクトのパフォーマンスが、組織内外のITプロジェクトと比較して どのレベルに位置するかを評価するため、比較対象として利用する組織内外の参照情報。
  2. (脚注2)
    ベンチマーキング:良い成績を収めているプロジェクト群と比較し、それらのやり方(開発プロセス、マネジメント・プロセス、組織の特性等)を参考にして、自組織の業務改善及び組織の改善を進めること。

お問い合わせ先

IPA デジタル基盤センター
デジタルエンジニアリング部 ソフトウェアエンジニアリンググループ

  • E-mail

    disc-infoアットマークipa.go.jp

更新履歴

  • 2023年7月1日

    2023年7月1日の組織改編に伴い、お問い合わせ先を更新

  • 2023年4月5日

    IPAウェブサイトリニューアルに伴うダウンロードファイル内記載URLの更新

  • 2023年1月17日

    • マンガでわかるソフトウェア開発データ分析の追加
    • グラフデータの一部のラベルとデータの修正、正誤表の追加
  • 2022年10月17日

    ソフトウェア開発分析データ集2022グラフデータ の公開

  • 2022年9月26日

    公開