デジタル人材の育成

2024年度セキュリティキャンプ全国大会 前回レポート

公開日:2025年5月7日

  • セキュリティ・キャンプ2025 全国大会

セキュリティ・キャンプ全国大会2024

開催概要

開催期間

2024年8月12日(月曜日)~8月17日(土曜日)

開催場所

クロス・ウェーブ府中(東京都府中市)

主催

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
一般社団法人セキュリティ・キャンプ協議会

共催

経済産業省

後援

サイバーセキュリティ戦略本部
デジタル庁
文部科学省

開講コース

専門コース 4クラス
開発コース19ゼミ

参加者数

専門コース40名
開発コース40名

参加者の学校種別・平均年齢

  • セキュリティ・キャンプ全国大会2024 [参加者の学校種別]
    大学54名、高等専門学校10名、高等学校7名
    専門学校6名、中等教育学校3名
  • 参加者の年齢は14歳~22歳
    平均年齢17.5歳

セキュリティ・キャンプ全国大会2024の参加風景

交流会・LT発表

  • キャンプ全参加者と名刺交換による人脈づくり
  • 講師との名刺交換
  • 受講生同士の名刺交換
  • 全国大会受講生によるLT
  • チューターによるLTを見る様子
  • 講師によるLTを見る様子

グループワーク

  • キャンプ初日メンバー初顔合わせ
  • 講師を招いてアドバイスをもらう
  • 最終日午前、キャンプ全体の前で成果発表

専門コースの講義・成果発表

ネックストラップが、「青」受講生、「赤」講師、「緑」チューター、です

  • A4『SBOMとシステム情報を元にした IoT機器のセキュリティリスク分析』講義
  • B6『クラウドネイティブなシステムを保護するための実践的Kubernetesセキュリティ』講義
  • C6『マルウェア解析の基礎と応用』講義
  • D4『LLMとRAGで作るサイバーセキュリティ支援ツール』講義
  • C【脅威解析クラス】成果発表
  • D【AIセキュリティクラス】成果発表

開発コースの講義・成果発表

ネックストラップが、「青」受講生、「赤」講師、です

  • S09『サニタイザ自作ゼミ』講義
  • S13『ハードウェア魔改造ゼミ』講義
  • S16『LLMハッキング:プロンプトインジェクションの完全攻略ゼミ』講義
  • S17『探査機自作ゼミ』講義
  • S01『WebAssemblyゼミ』成果発表
  • S12『ハイパーバイザを自作して仮想化技術やセキュリティについて学ぶゼミ』成果発表

専門コース参加感想 セキュリティ・キャンプ全国大会2024

15歳 中等教育学校

参加者イメージ画像

 セキュリティ・ジュニアキャンプ2023に参加し、初めてサイバーセキュリティに触れて学ぶことができました。以後、CTFやHack The Boxへの参加、自団体のアプリケーションの脆弱性の届出などを行ってきました。自分の技術力に不安はありましたが、再びキャンプに参加したいと強く思い、全国大会に応募しました。
 プロダクトセキュリティについて学びました。日頃、自分でアプリケーションをWebに公開したり、組織の中でセキュリティ担当として脆弱性診断を行う中で、この講義を受講したいと思いました。
 ジュニア・全国大会を修了し、今後はミニキャンプのチューターやネクストキャンプ・GCCへの参加を目指しています。今後もキャンプに関わり、よりハイレベルなスキルを習得し、社会に還元していきたいと考えています。

17歳 高等学校

参加者イメージ画像

 初めに選考通過者決定の欄に私の番号があったのを確認したとき、物凄く嬉しかったこと同時に本当に自分が参加してもよいのかと不安になったことを覚えています。パソコンに関してそこそこの自信はあったもののx(旧twitter)で通過報告をしていた方々のアカウントを閲覧すると自分よりも何十倍もレベルの高いことに取り組んでおり本当に彼らについていけるのかと心配になりました。キャンプ始まる前に基本情報技術者の内容を学び直すべきか、いや、与えられた事前課題をこなすので精一杯だ、とあたふたしている内にセキュリティ・キャンプ当日を迎えました。その不安ってのは案外間違いではなくて、やはり他の参加者と話をしてみると皆高度な事に取り組んでおり、それでもって私と同じように謙遜をしてくるのです。
 そんな方々に圧倒されながらも何とか正気を保ってキャンプ当日は講義を聞いていた感じです。本当にみんな凄かった。そんな自分と圧倒的にレベルの違う方々と出会って、私は彼らのようにコンピュータを極めたい、更なる成長を遂げたいと思うようになりました。出会った方々がある種の憧れとなったわけです。今までリアルで同じような趣味を持った人に会ったことがなくそんな人と会うことが今回で初めてでして、そんな人が何をやっているのか、どう学んでいるのかを直に知ることができ、5日と短い期間だけでの成長ではなく、学んだことを生かした先の成長も見込めるような有意義な会でした。取りあえず改めて基本情報の勉強を進めてみようと思います。

19歳 高等専門学校

参加者イメージ画像

 全体を振り返ると、人脈を得られたことが大きかったと感じる。受講生のレベルが高く、大きな刺激になった。また、幅広い分野の人が集まっているため、自分の苦手な領域は彼らに相談できるという点も良い。講義の最中では、周りに自分よりも深く咀嚼して理解している方や、実務経験と合わせて物事を考えて新しい視点から疑問を抱いている方がおり、自分1人では得られなかった視点を学ぶことができた。
 また、講師の方々と気軽に会話ができることが貴重な体験だと思った。特に印象深かったのは講師の方のフレンドリーさだ。会話をする前は経歴や講義の内容から、自分とは程遠い存在で声をかけにくかった。しかし、休憩中などにも気軽に声をかけてくださり、技術力の高さを感じさせないトークにより一層憧れの気持ちを抱いた。他にも「ミニキャンプの講師やってみたいです!!」とアピールした時に、運営の方や講師の方が担当者を紹介してくれるなど、みなさんがとても優しく接してくれたことが印象的だった。

20歳 専門学校

参加者イメージ画像

 セキュリティキャンプ全国大会に参加して多くの学びの機会を得ることが出来たのと同時に圧倒されたと言う気持ちと他の受講生から刺激を得ることが出来た大会でした。専門講義を受けた際専門的な内容を話しているだけあって付いていくのが難しいと感じながらそれでもどうにかして食らいついて理解したい思いでなんとか付いていくことがやっとでした。
 参加する前にも自分が講義に付いていけるのかどうかと言う不安が一番大きく不安を積もらせながら参加したのが本音です。
 しかし、講義が始まるとチューター、教師陣の丁寧かつ理解しやすい説明・講義資料、わからないことがあった際の手厚いサポートのお陰で自分の中でなぜ?と言う部分を解決し自分の新しい知識として吸収することが出来ましたし一人ではなく一緒に専門講義を受けた他の受講生がいてくれたので挫けそうになった際にも助けてもらったのもあり付いていくことが出来ました。
 そのほか専門講義以外では、その場で初めて会った受講生同士での交流がとても楽しかったです。
 グループワークでは自分の考えと班内の仲間の考えを組み合わせていくことやその場にいらっしゃった大学教授などにアドバイスなどを受けながら試行錯誤していきどうテーマに沿った内容を考えていくかを討論していくのはなかなかない体験であり尚且つ自分と違う場所から来た人と討論する機会はなかなか無いのでとても楽しい時間でした。
 正直セキュリティキャンプすごく楽しかったです。すごく楽しい上に毎講義自分の知らない言葉や知識がたくさん知ることが出来楽しさの上に刺激が乗っかりキャンプ中でありながら講義の内容を調べ独学で学び始めていたりしていました。知り得たことをより深く知りたいと思うほど講義内容が充実していたと思いましたしもう一度参加したいとも思いました。今回知識不足が否めないなと思った部分があったのでそこを補ってからもう一度授業の講義を聞きたいと思ったりもしています。

20歳 大学

参加者イメージ画像

 キャンプ全体を通して一番印象に残ったのは、講師やチューターの方々の熱意と専門性の高さです。単に知識を教えるだけでなく、私たちが自ら考え、学び、成長するためのサポートを惜しみなく提供してくれました。
 また、他の受講生たちと共に過ごしたグループワークや交流の時間は、非常に刺激的であり、私にとって大きな学びとなりました。最初は、自分が他の参加者についていけるかどうかという不安がありました。なぜなら、周りの参加者たちは、既に高度な知識やスキルを持っている人たちが多かったからです。
 例えば、グループワークには私よりもスキルが高く実際に研究を始めている人が半数近くいました。しかし、実際にグループワークを進める中で、皆がそれぞれの強みを活かし、協力し合うことで、チームとして大きな成果を上げることができました。この経験を通して、個々のスキルだけでなく、チームワークやコミュニケーションの重要性も再認識しました。特に、食事の時間や休憩時間に自然と行われる会話の中で、技術的な情報だけでなく、各自の経験や視点を共有し合うことで、新しいアイデアや視点が生まれる瞬間がありました。このような交流を通じて、他者とのつながりの大切さを改めて感じました。
 さらに、セキュリティ・キャンプに参加したことで、自分の中で大きな変化が生まれたと感じています。特に、脅威の捉え方が変わりました。これまでは、脅威を単なる興味対象として捉えていましたが、キャンプを通じて、脅威を「評価し、対策を講じるべき課題」として捉えるようになりました。この変化は、今後の学びや仕事において、非常に重要な視点となるでしょう。

開発コース参加感想 セキュリティ・キャンプ全国大会2024

15歳 中等教育学校

参加者イメージ画像

 煮詰めたエスプレッソなみに濃い5日でした。まず、(ハードをいじる都合上)物理で集まれるととにかく連携がしやすく、開発体験が最高と化しました。とにかく「ザ・工学」感があり、3枚あるホワイトボードを埋めまくりながら開発を行いまくり、人生で一番楽しいものづくりでした。さらに、大量の機材とReliableな講師の存在により、「まあとりあえずやってみるか」程度の気持ちで実験ができたのも快適でした。(これに関してはセキュキャンにより「信用できる人」のリストを得られたので、今後も効果が続いて最高です)
 セキュリティ・キャンプは講義も最高なのですが、それ以上に極めて愉快なコミュニティーができていることが体感できました。技術の話を気兼ねなくでき、周りの人が自分以上に強いという集団はとても刺激的かつエキサイティングで、これからも積極的にコントリビュートしたいです。

15歳 高等学校

参加者イメージ画像

 セキュリティ・キャンプを今年初めて知り、セキュリティに対する知見はもちろんイメージも薄かった私は、はじめは応募するのに大変躊躇した。しかしながら開発ゼミのテーマを見るなり強く惹かれた。
 幸運にも選考に合格した私が、セキュリティ・キャンプに参加し実際に開発ゼミに取り掛かると、実際の開発の楽しみはその膨らんだ期待をも超えてきた。
 しかし、ゼミでの時間を私にとって素晴らしいものにしたのは、それだけではない。講師の先生ともう一人の受講生の存在である。講師の先生は、深い知見をお持ちのだけでなく、開発スケジュールの策定とタスク分担を受講生の余裕に合わせて最良の方法で行ってくださり、結果円滑に開発を進めることができた。自身で普段単独開発をする際にスケジューリングが大きな課題となり制作物の完成が滞る私にとって、大変参考になる体験だった。もう一人の受講生も、他方面の知識に長けており、私も幅広い分野のセキュリティの知識を身につけておくことの重要性に気づかされた。
 さらに、他ゼミ・クラスの受講生との交流も意義のあるものだった。私のゼミとは対照的に低レイヤのセキュリティを取り扱う受講生がとても多く、皆それらの分野とは長く広く深く触れ合ってきているようであった。多くの一般人は普段高レイヤと技術者が呼ぶ部分にばかり注目しているし、私自身がかじってきたのも限定的な高レイヤ部分の開発やセキュリティのみであったが、低レイヤの存在とセキュリティなくしては高レイヤの存在とセキュリティも無駄となってしまうことを思い知った。
 将来セキュリティ系の学科を選び、セキュリティ技術を専門とするキャリアに就くか否かは、現時点では実は全く決めていない。しかしながら、セキュリティ分野に楽しさを見出し、高低様々なレイヤ・分野のセキュリティが互いの信頼性を担保していると気づかされた今、セキュリティについて広く知っておくことをまずは始めなければならないと考えるようになった。



17歳 高等専門学校

参加者イメージ画像

 セキュリティキャンプの存在は、友人からの勧めで初めて知りました。しかし、最初は「セキュリティ」という言葉に対してあまり馴染みがなく、「そんな高度な内容、理解できるかな」と少し不安を感じていました。それでも、ゼミの紹介ページを見て驚きました。「RISC-V CPU自作ゼミ」や「CPU+コンパイラ自作ゼミ」など、自分が「セキュリティ」と聞いてイメージしていたものとはまったく違う内容が並んでいたからです。興味が湧いた私は、早速キャンプに参加を決めました。
 キャンプの期間中、講師の方に「CPUを自作することがどうしてセキュリティに関わるのですか?」と質問してみました。すると、講師は「セキュリティに精通するには、表面的な技術に頼るのではなく、システムの根本から理解する必要がある」と教えてくれました。私はその答えに深く納得しました。近年では、CPUの脆弱性が話題になることが増えていますが、それらの問題の多くは非常に低いレイヤーで発生しています。つまり、セキュリティエンジニアとしてのスキルを高めるためには、システムの根本的な仕組みを理解し、それを応用できる普遍的な技術を身につけることが必要です。セキュリティキャンプで提供されているゼミの内容が、こうした低レイヤー技術に重点を置いていることは非常に理にかなっていると感じました。
 技術的な知識だけではありませんでした。キャンプには、同じように深い興味や情熱を持った参加者が全国から集まっていました。彼らと一緒に学び、切磋琢磨することで、単なる技術者のネットワークを超えた強い結びつきを感じることができました。特に、講師や先輩のエンジニアとの繋がりは大きな財産です。彼らの助言や経験を通じて、自分がこれからどう成長していくべきかの道筋が少しずつ見えてきました。
 こうしたコミュニティとのつながりは、技術者にとって大きな力になります。特に、問題に直面したときに意見を交換し合える仲間がいることは、独りでの挑戦では得られない視点や解決策をもたらしてくれます。さらに、共通の興味を持つ仲間たちとの出会いは、将来的なプロジェクトやキャリアの可能性を広げてくれるものです。セキュリティキャンプでの出会いは、私にとって非常に貴重なものとなりました。
 キャンプに参加したことで、技術的な理解が深まっただけでなく、自分の考え方やキャリアの展望が広がりました。

21歳 大学

参加者イメージ画像

 今回初めてセキュリティ・キャンプ事業に参加しました.この経験は,私にとって非常に貴重なものであり,多くの学びと出会いがありました.主たる目的として掲げたのは,技術的に多様なバックグラウンドを持つ人々との交流や,その交流を通じて得られる技術的な知見の拡充でした.これまで,技術に関しては自分一人で学んできたことが多かったため,他者と直接対話し,異なる視点から技術を見つめ直す機会を強く求めていました.
 この目的は当初の予想を遥かに超える形で達成できたと実感しています.私はOS自作ゼミに参加しましたが,このゼミは比較的低レイヤーの技術に焦点を当てたものでした.しかし,開発コースの講義室は様々なレイヤーのゼミが近くに配置されており,異なる分野のゼミとの距離が物理的にも心理的にも非常に近い環境でした.その結果,ゼミ同士の垣根が良い意味で薄く,他のゼミに参加している人々とも積極的に意見交換を行いながら,自分の開発を進めることができました.特に,他のゼミの参加者が持つ異なる技術的な視点や知識を吸収することで,自分自身の技術に対する理解がより深まりました.
 開発の時間以外にも,専門コースやチューター,さらには講師の方々とも積極的にコミュニケーションを取ることができました.特に,自分がこれまであまり深く理解していなかった分野について,専門的な知識を持つ方々との対話を通じて多くのことを学びました.こうした経験を通じて,自分の技術的な幅が広がったことを実感しています.また,これまでほとんど知らなかった分野にも新たに興味を持つようになり,今後さらに学びを深めていきたいというモチベーションも高まりました.

22歳 専門学校

参加者イメージ画像

 私にとって非常に貴重な学びと成長の場であり、特に自信のなかったプログラミング分野でのチャレンジを通じて、新たな視点と技術を身に付けることができました。
 もともと私は、3Dモデリングやデザインなどのデザイナー系の活動を中心に行ってきました。そのため、プログラミングにはあまり自信がなく、全国大会に参加すること自体年齢制限もあり最後のチャレンジだと考えていました。実際に、私の応募課題が選考を通過し、全国大会に参加できたことは大きな驚きであり、同時に自分でもまだやれると自信もつきました。
 振り返ってみると、事前学習から全国大会終了までの時間はあっという間に過ぎましたが、その間に自分の中で多くの常識が覆され、新しい発見と成長を感じることができました。このセキュリティ・キャンプ2024 全国大会では、複雑なものづくりに取り組む方法を実際に体験しながら学ぶことができ、プログラミングや技術だけでなく、デザインや3Dモデリングなどの他の分野にも応用できる貴重な知見を得ることができました。
今後は、この経験を活かして、複雑なものづくりを小さなところから確実に進めていく開発を心掛けたいと思います。

更新履歴

  • 2025年5月7日

    ページを公開しました