デジタル人材の育成

未踏修了生のいま

最終更新日:2024年8月7日

  • File:28 プログラミング教育活動とAIエンジニアを両立(寺本 大輝さん)

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    「HackforPlay」を使ったワークショップ

    ゲームをハックしてプログラミングを学ぶ教材「HackforPlay」を石川工業高等専門学校在学中に開発し、石川県金沢市で起業。同教材の開発をテーマに2015年度未踏IT人材発掘・育成事業に採択されました。ワークショップやコンテストの運営を行いながら、CoderDojo Kanazawaを立ち上げ小・中学生向けのプログラミング講座を開催、未踏ジュニアのメンターを務めるなど、若い世代にプログラミングの楽しさを伝える活動を続けています。その一方で、2021年にはAIエンジニアとしてNota(現Helpfeel)に参加。個人で一気通貫してプロダクト開発してきた知見を活かし、新機能の開発に取り組んでいます。

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    寺本 大輝さん

    株式会社Helpfeel AIエンジニア
    ハックフォープレイ株式会社 代表
    (経歴、肩書は2024年8月現在)
    採択年度:2015年度
    担当PM:首藤 一幸
    採択テーマ:ゲームをハックすることでプログラミングを学習する教材の開発

  • File:27 海洋モニタリングシステムを開発、海外に販路を拡大(野城 菜帆さん)

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    海洋モニタリングシステム「MizLinx Monitor」

    大学院では宇宙開発に関する研究に従事していましたが、地球上にも海域という未知の領域が残されていることに興味を持ち、海洋資源探索事業に乗り出します。在学中に海洋観測システムの開発をテーマとして未踏アドバンスト事業に採択。採択期間中に設立した株式会社MizLinxの代表取締役として開発を継続しています。同社が提供する海洋モニタリングシステム「MizLinx Monitor」では、映像・画像、水温、溶存酸素、塩分、pH、濁度等様々なデータを取得し、Webやスマホからリアルタイムでデータの確認を行うことができます。魚の養殖現場における死亡原因の解明や給餌効率化の実現など、全国各地で導入実績を積み重ね、東南アジアにも販路を拡大しています。

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    野城 菜帆さん

    株式会社MizLinx 代表取締役CEO
    (経歴、肩書は2024年8月現在)
    採択年度:2021年度(未踏アドバンスト)
    担当PM:漆原 茂
    採択テーマ:海洋資源探査を効率化するための3次元海洋観測システムの開発

  • File:26 セキュリティからAIへ。最先端技術の事業適用を続ける(中村 龍矢さん)

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    文書処理業務を生成AIで効率化する「Ai Workforce」

    成長著しいスタートアップとして注目を浴びるLayerXの創業時から、研究開発及びその成果の実用化をリード。2019年、Ethereumの仕様策定に貢献、Ethereum財団のグラント(助成)を日本拠点のチームで初めて獲得し、未踏事業でも暗号資産関連テーマで採択されました。ブロックチェーン分野から、近年AI・LLM事業部へと転向。事業責任者として文書処理業務をAIで効率化するプラットフォーム「Ai Workforce」をリリースしました。様々なモジュールやプロンプトテンプレートを組み合わせることで、個々の業務・ユースケースに対応したアルゴリズムを構築し、実際に現場で使えるAIを提供しています。

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    中村 龍矢さん

    株式会社LayerX 部門執行役員 AI・LLM事業部長
    (経歴、肩書は2024年8月現在)
    採択年度:2020年度
    担当PM:竹迫 良範
    採択テーマ: 次世代分散型アプリケーションプラットフォームのためのプロトコル開発支援システム

  • File:25 AI技術で製造業の変革をリード(比戸 将平さん)

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    ダイキンが取り組む遠隔作業支援ソリューション

    IBM東京基礎研究所で機械学習の研究に携わっていた際、未踏修了生の岡野原大輔さんが共同創設したAIベンチャーのプリファードインフラストラクチャー(現株式会社Preferred Networks)が機械学習関連事業を始めることを知って参画、執行役員として10年以上に渡り製造業へのAI技術適用に携わってきました。2023年には事業会社に活躍の場を求め、ダイキンへ移籍。AIを中心とした新規技術開発をリードしています。
    代表的な取り組みにフェアリーデバイス社との協業があります。「THINKLET」を装着した現場作業者に対して熟練作業員による遠隔指導を実現すると同時に、作業動画を蓄積し、AIモデルを活用しながら解析することで、現場作業の改善に役立てることを目指しています。

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    比戸 将平さん

    ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター技師長
    (経歴、肩書は2024年8月現在)
    採択年度:2002年度(未踏ユース)
    担当PM:竹内 郁雄
    採択テーマ:4次元グラフによるゲノムの可視化

  • File:24 技術と物語をテーマに創作活動や起業を行う(安野 貴博さん)

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    「サーキット・スイッチャー」 (早川書房)

    起業家、SF作家、アーティストなど多彩な分野で活躍中の安野さん。「技術と物語」を主なテーマとして、AIに関する作品の制作やスタートアップの創業を行っています。2022年に発表した「サーキット・スイッチャー」では自動運転車が普及した近未来を舞台にテクノロジーの未来と陥穽を描き、第9回ハヤカワSFコンテストで優秀賞を受賞。起業家としてはチャットボットソリューションの株式会社BEDORE(現PKSHA Communication)の代表取締役を務めたのち、2018年にリーガルテックのMNTSQ株式会社を創業しています。他にもロボットとコンビを組みM-1グランプリに出場、1回戦を突破した経歴の持ち主でもあります。

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    安野 貴博さん

    MNTSQ株式会社創業者/小説家
    (経歴、肩書は2023年7月現在)
    採択年度:2015年度
    担当PM:石黒 浩
    採択テーマ:ユーザの行動を予測し生産性を高めるインタフェースの開発

  • File:23 プログラマブル顕微鏡を開発しビジネス化(周 静芳さん)

    プログラマブル顕微鏡「Openscope」の画像
    プログラマブル顕微鏡「Openscope」

    中学時代には物理学者を目指していましたが、2019年度に未踏IT人材発掘・育成事業に採択されたことをきっかけにIT分野に進路を定めます。
    2021年度には未踏アドバンスト事業に体外受精ロボットの開発で採択され、合同会社Embrioを創業。現在は同装置の一部をプログラマブル顕微鏡「Openscope」として、製薬会社等に販売しています。
    自社でのプロダクト開発と並行して、株式会社リクルートにも在籍し、プロダクトマネージャーも務めています。

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    周 静芳さん

    株式会社リクルート データ推進室
    合同会社Embrio創業者
    (経歴、肩書は2023年7月現在)
    採択年度:2019年度、2021年度(未踏アドバンスト) 
    担当PM:五十嵐 悠紀
    採択テーマ:先行研究をインタラクティブに要約するシステムの開発(2019年度)、
    低コスト・高成功率な自動体外受精ロボットEmbrioの開発(2021年度)

  • File:22 キャッシュレスサービスの発展に手腕を発揮(曾川 景介さん)

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    キャッシュレスサービス 「メルペイ」

    曾川さんは2010年に未踏事業に採択された後、シリコンバレーのFluxFlex社にてWebPayを立ち上げ、クレジットカード決済のサービス基盤の開発に取り組みました。LINEによるWebPayの買収を経て、LINEPayの開発に携わった後、日本最大級のフリマアプリ・メルカリに参画。2017年からはキャッシュレスサービス・メルペイの取締役CTOに就任、2021年にはメルカリグループ全体のCISOとしてセキュリティの責任者に就任、さらに株式会社メルコインを設立し暗号資産取引サービスに参入します。2023年より未踏IT人材発掘・育成事業のプロジェクトマネージャーを務め、次世代の育成にも取り組んでいます。

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    曾川 景介さん

    株式会社メルコイン取締役CISO、CINO /株式会社メルペイ取締役CISO
    (経歴、肩書は2023年7月現在)
    採択年度:2010年度
    担当PM:増井 俊之
    採択テーマ:個人間の財の貸し借りを支援するソーシャルレンディングプラットフォームの開発

  • File:21 ロボット技術や自動運転分野で創業(白久 レイエス樹さん)

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    重機の遠隔操作ソリューション

    白久さんはロボット技術や遠隔・自動運転など先端技術領域で創業を続ける起業家です。大学院生時代には装着型ロボット「スケルトニクス」で未踏事業に採択され、同級生達と創業。外部動力を使わずに迫力ある動きを生み出す斬新さが高い評価を得て海外進出も果たします。次に取り組んだのは自動運転分野です。大手自動車メーカーでカメラやセンサーを利用した周辺状況の検知システム開発に従事した後、米国シリコンバレーにてYanbaru Robotics Inc.を創業、高速道路自動運転試験を成功させます。その後ARAV株式会社を創業し、重機の遠隔操作や自動化を提供することで、建設現場の課題解決を目指しています。

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    白久 レイエス樹さん

    ARAV株式会社 代表取締役
    (経歴、肩書は2023年7月現在)
    採択年度:2013年度
    担当PM:石黒 浩
    採択テーマ:外部動力に頼らないメカニカルスーツの開発

  • File:20 大規模言語AIを軸に創立、プロ集団を率いる(曽根岡 侑也さん)

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    日本語特化AIエンジン「ELYZA Brain」

    大規模言語AIを軸とした事業を展開する株式会社ELYZA(イライザ)を起業。同社には未踏修了生3名もエンジニア・事業開発として参画、「プロフェッショナル集団ELYZA」を支えています。自然言語処理に焦点を定め、独自で日本語特化の大規模言語AIをいち早く開発し、株式会社マイナビや損害保険ジャパン株式会社などの企業との共同研究やクラウドサービスを通した社会実装を進めています。最新アルゴリズムの採用によって高精度の処理を行う日本語特化AIエンジン「ELYZA Brain」、入力したテキストデータを3行に要約する文章要約A「I ELYZA DIGEST」、文章執筆A「I ELYZA Pencil」などをリリースしています。

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    曽根岡 侑也さん

    株式会社ELYZA 代表取締役CEO/株式会社松尾研究所 取締役
    (経歴、肩書は2022年8月現在)
    採択年度:2014年度
    担当PM:藤井 彰人
    採択テーマ:意思決定に資する解析システム付きの共創プラットフォームの開発

  • File:19 世界初の量子アルゴリズム「量子回路学習」を提案(御手洗 光祐さん)

    量子コンピュータイベント「QHack 2022」での登壇の様子の画像
    量子コンピュータイベント「QHack 2022」での登壇の様子

    量子コンピュータ活用のためのアルゴリズム研究に取り組む御手洗さん。NISQデバイスを機械学習へ応用するための世界初の量子アルゴリズム「量子回路学習」を提案、第一著者として発表した論文は2年間で200件引用され、Googleの量子機械学習ライブラリ「TensorFlowQuantum」の標準メソッドとして採用されるなど、大きな注目を集めています。博士課程中に共同創業した株式会社QunaSys(キュナシス)では、量子コンピュータの性能を引き出すアルゴリズム・ソフトウェアの提供や、量子化学計算などの分野での研究開発を進め、量子コンピュータの社会実装に貢献しています。

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    御手洗 光祐さん

    大阪大学大学院 基礎工学研究科システム創成専攻 助教授/株式会社QunaSys CSO
    (経歴、肩書は2022年8月現在)
    採択年度:2018年度(未踏ターゲット)
    担当PM:山本 直樹
    採択テーマ:量子変分アルゴリズムの性能評価とその改良開発

  • File:18 ロボットテクノロジーで社会課題の解決に挑戦(林 まりかさん)

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    遠隔サポート付き搬送ロボット「HATSキャリー」

    大学院在籍時に情報システム工学研究室でロボットの柔軟触覚の研究に従事し、大手メーカー研究所勤務、未踏事業採択を経て株式会社キビテクを創業。同社では人型ロボット技術を基盤としたロボットテクノロジーを追求し、知能ロボットの受託開発で実績を上げています。
    子供が誕生したことをきっかけに社会課題の解決に興味を持ち、新規事業としてロボット用遠隔制御サービス(HATS)事業に取り組み、未踏アドバンスト事業にも採択されました。遠隔地からロボットをオペレーションするシステムを開発することで、途上国等へ就業機会を提供し、格差問題の解決に挑戦しています。

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    林 まりかさん

    株式会社キビテク 代表取締役CEO
    (経歴、肩書は2022年8月現在)
    採択年度:2010年度、2020年度(未踏アドバンスト)
    担当PM:石黒 浩
    採択テーマ:人と人とが向き合えるインタフェースシステムの開発とその応用(2010年度)ほか

  • File:17 音・光・映像を操り新たなステージ表現を開拓(藤本 実さん)

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    制御可能なLEDを両面に配置した「LED VISION FLAG」

    10代の頃よりダンサーとして活動してきた藤本さんは、学生時代にウェアラブルコンピューティングと出会い、テクノロジーを駆使したダンスやステージ表現の道へと進みます。2013年にはMPLUSPLUS(エムプラスプラス)株式会社を設立。高い技術力とクリエイティビティを背景に、演出とそれを支えるシステム開発まで総合的に実施しています。演者の衣装や旗に配置したLEDを無線制御し、音・映像・光を同期させたパフォーマンスは高い評価を獲得。東京2020パラリンピック開会式など数々のイベントを担当し、米人気番組「America’s Got Talent」に出演するなど海外にも活動の舞台を広げています。

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    藤本 実さん

    MPLUSPLUS株式会社 代表取締役社長 兼CEO
    (経歴、肩書は2022年8月現在)
    採択年度:2009年度
    担当PM:石黒 浩
    採択テーマ:身体表現を拡張するウェラブル大量フルカラーLEDモジュール制御システムの開発

  • File:16 誰でも簡単にテロップを付けられるアプリで起業(大峠 和基さん)

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    テロップ生成アプリ Telorain(てろれいん)

    大峠さんは簡単に動画コンテンツにテロップを付けられるスマートフォン向けアプリ「Telorain(てろれいん)」の開発を行っています。
    「Telorain」では、撮影した動画の音声認識を行うことで、自動的にテロップを作成します。テロップの見せ方にもこだわり、SNS向けの多彩なテーマを用意。きれいでかわいいテロップ入り動画を、難しい操作なしに誰でも手軽に作れるアプリが完成しました。
    未踏期間中に開発を行い、その成果をもとにTelorain株式会社を起業しました。現在も筑波大学で研究を続けながら、同社の経営とエンジニアリングを行っています。

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    大峠 和基さん

    筑波大学図書館情報メディア研究科/Telorain株式会社 代表取締役
    (経歴、肩書は2021年7月現在)
    採択年度:2019年度、2020年度(未踏アドバンスト)
    担当PM:五十嵐 悠紀(2019年度)、原田 達也(2020年度)
    採択テーマ:機械学習を用いたSNS向けテロップ自動生成(2019年度)ほか

  • File:15 日本の現場力をコネクテッドワーカー技術で世界へ導く(藤野 真人さん)

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    首かけ式スマートデバイス「THINKLET」

    東京大学大学院医学系研究科の所属時に「ヒトの心に寄り添うモノの温かさ」に気付き、「ヒトと機械がつながる世界を創る」ことを決意。フェアリーデバイセズ株式会社を設立します。
    藤野さんは同社の中心として、音声認識、感情認識、機械翻訳などの技術に基づくクラウドサービス「mimi API」をはじめ、高度な音声対話処理を実現するハードウェア・ソフトウェアを次々に開発。2019年にはハンズフリーを実現した世界初の首かけ式スマートフォン「THINKLET」と、それを活用した「Connected Worker Solution」を発表。多数の企業に採用され、少子高齢化、技能継承など日本が抱える課題を解決し、世界へ羽ばたこうとしています。

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    藤野 真人さん

    フェアリーデバイセズ株式会社
    代表取締役 CEO、CTO
    (経歴、肩書は2021年7月現在)
    採択年度:2009 年度
    担当PM:加藤 和彦
    採択テーマ:センサーデバイスを活用した弦楽器の自動演奏の為の基盤ソフトの開発

  • File:14 21世紀の調味料「電気味覚」を研究(中村 裕美さん)

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    フォーク型の電子味覚デバイス

    中村さんは未踏の採択時から一貫して、味覚電気刺激(電気味覚)の研究に取り組んでいます。電気刺激とは、食物を食べるときに口内に電気刺激が与えられると、食べ物の味が強まったり、弱まったり、変化したりするというものです。
    中村さんは現在も大学の研究室に所属して、デバイスの改良を重ねています。2016 年春には代理店とコラボレーションし、無塩料理x電気味覚の食事イベントも開催しました。新たな食体験を生み出すだけでなく、健康維持にも役立つ「21 世紀の調味料」として、電気味覚には大きな期待が寄せられています。

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    中村 裕美さん

    東京大学大学院 情報学環 学際情報学府
    総合分析情報学コース 暦本研究室 特任准教授
    (経歴、肩書は2021年7月現在)
    採択年度:2010 年度
    担当PM:後藤 真孝
    採択テーマ:電気味覚を活用した新たな食物コンテンツの提案

  • File:13 日本のシビックテックをけん引する第一人者(関 治之さん)

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    オープンソースで開発された東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト

    開発者として主に位置情報系のサービスを多く立ち上げ、テクノロジーを活用したオープンイノベーションについて研究をしてきた関さん。東日本大震災時に情報ボランティア活動を行ったことをきっかけに、住民コミュニティとテクノロジーの力で地域課題を解決する「シビックテック」の可能性を感じ、2013 年に一般社団法人コード・フォー・ジャパンを設します。以降「テクノロジーで、地域をより住みやすく」をモットーに活動の幅を広げています。新型コロナウイルス感染症対策サイトの立ち上げや、政府コロナテックチームへの参加、行政DX 支援、全国各地や海外のシビックテックコミュニティとの活発な交流なども実施、日本のシビックテックをけん引する第一人者です。

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    関 治之さん

    一般社団法人コード・フォー・ジャパン 代表理事/株式会社HackCamp 代表取締役社長、CEO
    (経歴、肩書は2021年7月現在)
    採択年度:2009年度
    担当PM:加藤 和彦
    採択テーマ:オープンソース技術を利用したモビリティマネジメント基盤の開発

  • File:12 果菜類の植物工場実現に挑む(市川 友貴さん)

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    植物工場のための自動授粉・収穫ロボットシステム

    農業をITで実現する植物工場は一般的になりつつありますが、レタスなどの葉物野菜が中心で、果菜類はほとんど栽培されていません。
    果物に実を結ばせるために必要な受粉の過程は現状ミツバチが担っており、工場内における受粉手段が欠如していることがその一因です。
    市川さんは未踏採択期間中に、ロボットによるいちごの受粉技術の開発に取り組みました。創業したHarvestXでは、受粉から収穫までを一括してロボットが行う技術を確立して、果菜類の完全自動栽培を行う植物工場を実現することを目指しています。

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    市川 友貴さん

    HarvestX 株式会社 代表取締役
    (経歴、肩書は2021年2月現在)
    採択年度:2019年度
    担当PM:五十嵐 悠紀
    採択テーマ:虫媒に代わるいちごの自動受粉ロボットシステムの開発

  • File:11 マンガ専用の自動翻訳技術を開発、世界展開を目指す(石渡 祥之佑さん・日並 遼太さん)

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    「MANTRA」を利用した マンガの自動翻訳

    自動翻訳技術の進化は目覚ましいものの、マンガの自動翻訳は難しいとされてきました。手描きの特殊なフォント、独特な話し言葉、ストーリーの背景にある複雑な文脈など、翻訳を難しくする要素が多く含まれることが原因です。石渡さんと日並さんは、未踏採択期間中に、セリフの自動検出と正確な文字認識、文脈をとらえた自動翻訳から吹き出し内の文字置換までを一括で行うことができるマンガ専用機械翻訳技術を開発しました。未踏アドバンスト修了後は同技術を用いたサービス展開も開始し、マンガ出版社や配信者に向け、マンガ専用クラウド翻訳ツール「Mantra Engine」を提供しています。

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    石渡 祥之佑さん

    Mantra 株式会社 代表取締役
    (経歴、肩書は2021年2月現在)
    採択年度:2019 年度(未踏アドバンスト)
    担当PM:石黒 浩
    採択テーマ:漫画の高精度な機械翻訳技術および多言語漫画配信サービスの実現

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    日並 遼太さん

    Mantra 株式会社 CTO
    (経歴、肩書は2021年2月現在)
    採択年度:2019 年度(未踏アドバンスト)
    担当PM:石黒 浩
    採択テーマ:漫画の高精度な機械翻訳技術および多言語漫画配信サービスの実現

  • File:10 独自の技術で製品設計界にイノベーションを起こす(大嶋 泰介さん)

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    DFNによってデザインされ、3Dプリントされたヘッドフォン。 耳の部分のクッション性やフレーム部分のしなりなど、様々な構造が単一素材から作られる

    2017年に「Nature Architects」を設立。素材を特定の幾何構造に造形することで元の素材とは異なる特性を持たせることができる「メカニカル・メタマテリアル」や、複雑な機能が組み合わさった製品を設計する高度な手法「コンピュテーショナル・デザイン」など、最新の設計技術の研究開発に取り組んでいます。2020 年には「DFM(Direct FunctionalModeling)」を開発。いろいろな特性を持ったパーツを一体でデザインし、3Dプリンターでひとつの製品として出力できる設計技術で、多様な企業と共に高い付加価値を持った製品の開発を行っています。なお、同社の取締役4 名のうち3 名は未踏修了生です。

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    大嶋 泰介さん

    Nature Architects 株式会社 代表取締役 CEO
    (経歴、肩書は2021年2月現在)
    採択年度:2017 年度(未踏アドバンスト)
    担当PM:漆原 茂
    採択テーマ:計算的弾性体を社会実装するためのプラットフォームの実現

  • File:9 全世界で500万ユーザーを誇る「SoftEther VPN」を開発(登 大遊さん)

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    立ち上げから参加したIPA の産業サイバーセキュリティセンター

    セキュアなネットワーク接続をソフトウェアで仮想的に実現する「SoftEther VPN」を未踏採択期間中に開発。オープンソース化し、日本語・英語・中国語版合計で全世界500万ユーザーを獲得しています。
    2020年には新型コロナウイルス流行による在宅勤務急増に対応し、構想から約2 週間でシンクライアント型VPN「シン・テレワークシステム」を開発、IPA とN T T 東日本よりリリースして大きな話題を呼びます。
    また、J-LIS ( 地方自治体の情報システム組織)とも連携し、自治体向けLGWANテレワークシステムを構築するなどの活動を行っています。これらのソフトウェアはいずれもSoftEther VPN が基礎となっています。

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    登 大遊さん

    ソフトイーサ株式会社 代表取締役/IPA 産業サイバーセキュリティセンター サイバー技術研究室長/NTT東日本特殊局 特殊局員/筑波大学 産学連携准教授
    (経歴、肩書は2021年2月現在)
    採択年度:2003年度
    担当PM:竹内 郁雄
    採択テーマ:イーサネットのソフトウェア実装とトンネリングシステムの開発

  • File:8 日本初の「攻めのセキュリティ」専門会社を起業(木村 廉さん)

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    客員研究員として滞在した カーネギーメロン大学のキャンパス

    未踏にはカーネルソフトウェア開発支援ツールをテーマとして採択。
    修了後はサイバーセキュリティの権威であるアメリカのカーネギーメロン大学CyLabに1年間客員研究員として滞在しました。脆弱性解析や攻撃コードの自動生成技術について研究を行い、9個の著名なOSSから16個のゼロデイ脆弱性を発見、うち13件からCVEを取得する成果を上げました。帰国後、日本初の「攻めのセキュリティ」を専門とした株式会社リチェルカセキュリティを起業。国内トップレベルのサイバーセキュリティ人材を集め、世界中の企業と協業を行っています。

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    木村 廉さん

    株式会社リチェルカセキュリティ 代表取締役
    (経歴、肩書は2020年7月現在)
    採択年度: 2016年度
    担当PM:後藤 真孝
    採択テーマ:カーネルソフトウェア開発支援ツール

  • File:7 映像やゲーム、e スポーツまで幅広く作品を発表(安本 匡佑さん)

    「VAIR Field」で使用する、 スマートフォンを利用した銃型デバイス「VAIR Gun」の画像
    「VAIR Field」で使用する、 スマートフォンを利用した銃型デバイス「VAIR Gun」

    身体性をテーマとした作品を制作し、さまざまな分野で横断的に発表を続けています。テレビ番組「2355(NHK Eテレ)」の「factory of dream-夢を作る工場」やiOS用パズルゲーム「Pavlov」、メディアアート作品「属性の積算」など多数の作品を発表。近年はヘッドマウントディスプレイを使わずにVRと同等の体験を実現することをテーマとし、弓を用いた「参式電子弓」などを制作しています。また、フィジカルeスポーツのコンテンツ「VAIR Field」などに取り組み、5G対応の遠隔対戦、複数の身体情報の取得によるリアリティに関する研究なども行っています。

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    安本 匡佑さん

    神奈川工科大学 情報学部情報メディア学科 准教授/株式会社CENOTE 代表取締役
    (経歴、肩書は2020年9月現在)
    採択年度:2007 年度
    担当PM:松原 健二
    採択テーマ:身体で操るバランスボール型インターフェースシステムの開発 ほか

  • File:6 プログラミングや電子工作を教育に活かす(小室 真紀さん)

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    マイコンボード「micro:bit」を使用した サッカーロボット制作ワークショップ

    未踏事業では、ライフログを用いて美しさを支援し、新しいコミュニケーションや価値を創出するサービスを開発。出産・子育てを機に教育に興味を持ち、関連事業を行うため会社を設立しました。子どもたちがプログラミングや電子工作などのテクノロジーを道具として自由に使い、その過程を通じて学ぶ「Maker Education」という教育を広める活動を行っています。安価で壊れづらく簡単に扱える教育向けのマイコンボードや周辺モジュールを販売するとともに、ワークショップの開催など環境づくりにも注力。STEM 教育の普及を目指しています。

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    小室 真紀さん

    株式会社スイッチエデュケーション 代表取締役社長
    (経歴、肩書は2020年9月現在)
    採択年度: 2009年度
    担当PM:安村 通晃
    採択テーマ:ライフログを用いた美肌支援システム

  • File:5 映像内人物の表情を操るアプリの開発で話題(吉田 一星さん)

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    「Xpression Camera」を使うと、事前にスーツ姿の映像を 用意しておけば、寝間着姿でZoom 会議に出席できる

    大学在学中に未踏事業に採択された後、ヤフー株式会社に入社。世界に先駆けてフェイスエフェクトAR アプリをリリースし、40 か国以上でストアランキング1 位を獲得、グッドデザイン賞を受賞するなど世界的に高い評価を獲得しました。続けてアプリを開発に携わったのち、自らのアイディアと技術力を世界的に広めるため、国内外からの支援を得て起業します。映像内の人物の表情を自由自在に操るアプリ「Xpression」に続き、ZoomやTwitch などリアルタイム配信に対応した「Xpression Camera」を発表し、大きな話題を呼んでいます。

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    吉田 一星さん

    株式会社EmbodyMe 代表取締役社長
    (経歴、肩書は2020年9月現在)
    採択年度: 2007年度
    担当PM:河野 恭之
    採択テーマ:ソーシャルメモサイト「メモジャ」の開発

  • File:4 触感や動作を伝達する技術で世界から注目(玉城 絵美さん)

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    触感型インターフェース「UnlimitedHand」

    触感や身体感覚をコンピュータによって伝達するBodySharingの研究者兼起業家。玉城さんが開発したコンピュータから人に手の動作を伝達する「PossessedHand」は、米タイム誌「世界の発明50」にも選出され、世界的にも注目を集めています。
    2012年には未踏修了生の岩崎健一郎さんとH2L,Inc.を創業し、世界初触感型コントローラ「UnlimitedHand」、手の動きや重量感覚を伝達するデバイス「FirstVR」などを発表。ほかに経済産業省で委員も務めるなど各所で活躍中です。

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    玉城 絵美さん

    H2L, Inc., 創業者
    早稲田大学 創造理工学研究科 准教授
    (経歴、肩書は2020年7月現在)
    採択年度: 2008年度未踏本体上期
    担当PM:田中 二郎
    採択テーマ:直感的な操作のための3次元ジェスチャ認識ライブラリの開発

  • File:3 自ら開発した制御OS でロボット普及に貢献(吉崎 航さん)

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    「V-Sido」が採用されているロボットの例

    大小や形態を問わず、多種多様なロボットを制御できるOS「V-Sido」。
    実際に開発が進んだのは、未踏での採択がきっかけでした。
    その後、水道橋重工での巨大ロボット「クラタス」など数多くのロボット制御や「ロボット革命イニシアティブ協議会」参与、一般社団法人ガンダムGLOBAL CHALLENGEのシステムディレクターなども務め、ロボット業界の第一人者となっています。

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    吉崎 航さん

    アスラテック株式会社
    取締役/チーフロボットクリエーター
    (経歴、肩書は2020年7月現在)
    採択年度: 2009年度
    担当PM:藤井 彰人
    採択テーマ:人型ロボットの演技指導ソフト

  • File:2 振動と光で音を届けるデバイスを開発(本多 達也さん)

    ヘアピン型聴覚障がい者向けデバイス「Ontenna」の画像
    ヘアピン型聴覚障がい者向けデバイス「Ontenna」

    本多達也さんは、大学時代にろう者に出会ったことがきっかけとなってヘアピン型聴覚障がい者向けデバイス「Ontenna」の開発を始めました。
    同デバイスの開発をテーマとして未踏に採択され、スーパークリエータに認定されたのちも引き続き開発を継続。
    富士通に入社後は同社のプロジェクトとしてさらに開発が進められ、2019年に製品化が実現されました。本多さんの「聴覚障がい者に音を感じてもらいたい」という夢は、着実に実現しつつあります。

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    本多 達也さん

    富士通株式会社 グローバルソリューション部門
    ビジネスマネジメント本部
    Ontenna プロジェクトリーダー
    (経歴、肩書は2020年7月現在)
    採択年度: 2013年度
    担当PM:後藤 真孝
    採択テーマ:髪の毛で音を感じる新しいユーザインタフェースの開発

  • File:1 アート界から政府審議会まで幅広く活躍(落合 陽一さん)

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    総合監修、アートディレクション 『計算機と自然、計算機の自然(日本科学未来館常設展)』

    未踏では、「電気が見える」デバイスとソフトウェアの開発で採択され、スーパークリエータに認定された落合陽一さん。
    現在は、メディアアーティストとして活躍するほか、 筑波大学准教授や研究室の主宰を務め、ベンチャー企業CEO や一般社団法人代表理事、政府・省庁の審議会・委員会メンバーなど、産官学のすべての場に活躍の場を広げています。
    著書も多数あり、累計発行部数は100 万部を突破しています。

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    落合 陽一さん

    メディアアーティスト、筑波大学 准教授
    ピクシーダストテクノロジーズ株式会社 代表取締役CEO
    (経歴、肩書は2020年7月現在)
    採択年度: 2009年度上期未踏ユース
    担当PM:首藤 一幸
    採択テーマ: 「電気が見える」デバイスとソフトウェアの開発

修了生のいま PDF版

更新履歴

  • 2024年8月7日

    File:25に画像1点を追加しました。

  • 2024年8月5日

    File:25の画像1点の取り下げをしました。

  • 2024年8月2日

    未踏修了生のいまVol.7を公開しました。

  • 2023年7月21日

    Webページ版「未踏修了生のいま」を公開しました。