デジタル人材の育成
公開日:2024年5月29日
筋電義手のような組み込みシステムでは,従来の時系列学習手法を利用するために必要な計算資源を用意することは困難である.また実用化する場合,筋電義手は,利用者の経済的・肉体的負担を軽減するために,安価かつ低重量であることが望ましい.また,日常的に連続使用することが想定されるため,低消費電力であることも重要である.本プロジェクトでは,従来のRNNやLSTMといった,時系列推定・パターン分類手法では困難であった自由度の高い筋電義手システムを,リザバーコンピューティング技術を利用し開発することを目的としている.リザバーコンピューティング技術を利用することで,従来のものと比較し,利便性の高い筋電義手の実現が期待される.
リザバーコンピューティングを用いて筋電図から指角度・トルクを推定し、義手を駆動する未踏性・社会性の高い課題である。予備実験にも成功しており、開発計画も具体的である。レザバーを用いることで低消費電力かつ少ない訓練数での筋電義手システムが期待される。ただし、義手に求められる精度はどの程度で、それをリザバーコンピューティングで達成できるかが課題である。レザバー前後の処理も重要になろう。動作の段階に応じて角度とトルクを切り替えるアイデアは興味深い。手指の動作はカテゴリカルであるため、リザバーによるパターン認識も援用すると良いかもしれない。ぜひさまざまなリザバーの使用法を試して、開発を推進してほしい。
2024年5月29日
2024年度採択プロジェクト概要(都城・坂東PJ)を掲載しました。