デジタル人材の育成
公開日:2023年10月6日
感情は私たちの日常生活の各面、特に意思決定や人間関係、健康において深く影響しており、その認識と共有は、私たちがより良い人間関係を築き、適切な判断を下すために重要である。感情の理解は、ストレスの軽減や精神的な安定をもたらし、全体的な生活の質の向上につながる。過去の感情分析は主に口頭や書面での表現に頼っており、主観的であった。また、既存の生体指標に基づく感情分析プロジェクトは主に基本的な感情に焦点を当てているが、感情は個人の価値観や背景に大きく影響されるため、個人の特有の感情や心情は捉えきれていないと考えられる。
本プロジェクトでは、心拍を基にしたパーソナライズされた感情推定アプリケーションの開発を行い、ユーザーの日常生活の多様なシチュエーションを反映した感情の可視化システムを提供する。これにより、感情の繊細なニュアンスを捉え、人々の感情認識の実用性と普遍性を向上させることを目指す。
また、事業化に向けて本プロジェクトで開発したパーソナライズ感情推定モデル・アプリの社会実装を行なっていく。
心拍データを用いて個人に特化した感情推定を行うアプリを開発することを目的とした提案である。
特定の視覚・聴覚入力がない状態での個人差を考慮した感情推定は挑戦的な課題で、未踏性が高い。リザバー計算の利用により、高精度でリアルタイムの感情推定が可能になれば、ヘルスケア産業などへ広く展開される技術となることが見込まれ、社会的なインパクトも大きい。
技術的課題、生体情報の取り扱い、社会実装、将来のビジョンなどの側面について十分に検討されており、準備状況も本事業への強い意欲を感じさせるものであった。
2023年10月6日
2023年度採択プロジェクト概要(福原・喜田PJ)を掲載しました。