デジタル人材の育成
公開日:2024年6月25日
今日では生成AIが精緻な画像を生み出し、また人間のような文章を書く能力を実現するなど性能向上が目覚ましく、実社会への応用が求められている。しかし、その開発に使われる既存のライブラリには、新たな時代局面の要求に対して以下の問題がある。
これらの問題は、エコシステムが立脚するプログラミング言語の特性やそのアーキテクチャに根ざしており、本質的な解決は既存のライブラリの延長線上にはない。そこで、本プロジェクトでは以下の特徴を持つ次世代ML(機械学習)ライブラリを開発する。
このような現代的なパラダイムを採用した新たなエコシステムを構築することによって、AIの研究開発やアプリケーション開発の両面において、高い開発効率を提供する。本ライブラリの実現により、人間の役に立つ高性能なAIの開発と応用の促進が期待できる。
どのようなOSやどのベンダのGPUであっても動作することを目指した、まさに次世代のMLライブラリを開発しようとする提案である。加えて提案者は、型システムを導入することでデバッグの容易性や開発効率の向上も見込めると考えている。本提案のユニークなところはGPUの抽象化レイヤーとしてWebGPUを用いることである。現在主流となっているMLやAIの環境は特定のベンダのプロプライエエタリなライブラリに大きく依存しており、今後のこの領域の発展には本提案が貢献できる余地があると評価した。また提案者は、一つの問題を解決するだけでなく、他の問題も同時に解決しようという大胆な発想を持っており、OSやGPUベンダに対してクロスプラットフォームであるだけでなく、同時に型安全なライブラリとして提供しようとする点も評価した。
2024年6月25日
2024年度採択プロジェクト概要(道本PJ)を掲載しました。