デジタル人材の育成
公開日:2024年6月25日
本プロジェクトでは、生活空間内に存在するモノに着目して、ユーザが自由に創作できる「モノのエージェント」を作り出し、ユーザとエージェントによるネットワークを生活の中に組み込みためのARシステムを開発する。
本システムは、ユーザがシステム上でモノのエージェントを作成するところから始まる。システムがモノ(例えばマグカップやゴミ箱など)を認識した後に作られるエージェントは、AR空間上ではモノに目がついたような見た目で、特定のキャラクターを持つ。ユーザはそのキャラクターを設定し、自分の世界観を反映することができる。作成されたエージェントは自然言語による会話とアイコンタクトを通してユーザとのインタラクションを行い、その内容は設定された性格によって決まる。また、エージェントを複数体作ることもできる。エージェントが複数体存在するとき、エージェントはユーザとのみならずエージェント同士でのインタラクションを勝手に行う。
本システムを実現するために、視覚的・聴覚的なAR、画像認識、生成エージェント、自然言語処理などの技術を使い、既存の機器の活用に加えて、ユーザへの聴覚提示と視覚提示を行うための専用デバイスと専用アプリケーションも開発する。
本システムにより、エージェントによってモノとのネットワークが正確に組み込まれた空間での新しい生活体験をユーザが楽しく作っていく世界を実現し、それを多くの人々に体感してもらうことで、新しい文化を生み出したい。さらに、いまだ日常的ではないXRデバイスを生活に落とし込むための方法論として、XRデバイスによって可能となる体験と日常体験の中間層を作り出すアプローチを提示したい。
ユーザが自由に創作できるエージェントを生活の中に取り入れるシステムであり、八百万の神の実体化ともいえるプロジェクトである。
同様の発想のプロジェクトはこれまでにも多数提案されているが、絵心のあるクリエータによるかわいく魅力的なキャラクターデザインと、ユーザの行動変容にしっかり繋げられるチャットAIとしての発展を期待し採択とした。
2024年6月25日
2024年度採択プロジェクト概要(後藤・大塚・石山PJ)を掲載しました。