デジタル人材の育成

未踏アドバンスト事業:2024年度実施プロジェクト概要(土肥・植竹PJ)

公開日:2024年6月28日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 首藤 一幸(しゅどう かずゆき)
  • 京都大学 学術情報メディアセンター 教授

2. 採択者氏名

  • 土肥 正義(フリーランス)
  • 植竹 空(株式会社EfficiNet X 取締役/東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻)

3.契約金額(税抜)

  • 15,040,000円

4.プロジェクト名

  • 高精度な物理モデルベースのフライトコントローラプラットフォームの開発

5.関連Webサイト

6.プロジェクト概要

ドローンは現在、世界で利用が拡大しており、産業用途での機体の大型化、複雑化(可動部を有するものや、対称形状でないもの)が進んでいる。ドローン機体開発において、飛行制御や飛行ミッションの内容のプログラミングには、フライトコントローラプラットフォーム(例: DJI SDK、ArduPilot、PX4)が用いられる。後者二つはオープンソースソフトウェアであり、ドローンプログラミングの民主化に貢献してきた。
しかしながら、これら既存のプラットフォームは、複雑な機体形状の登録や、大型化した機体の重心計算といった産業/研究サイドのユーザが求める機能に対応していない。ユーザは他に選択肢がないことから、機会/経済的損失を被っているという課題がある。

そこで、我々は日本初のオープンソースソフトウェアのフライトコントローラプラットフォームを開発し、誰でも簡単に機体設計から実飛行まで行えるようにすることをビジョンとしている。汎用の小型コンピュータを用いることでアクセスを向上し、現実に即した物理シミュレーション機能による事前の機体性能チェックで、実機試験段階での機会/経済的損失を減らすことを価値提供する。

これまで2023年度未踏IT人材発掘・育成事業においてプロトタイプを作成し、複雑な機体形状に対応した飛行制御器とシミュレーション機能の動作を確認した。本事業期間中には、既存プラットフォームでは難しいとされる1)モータの回転数フィードバック制御、2)推進系の異常検知と制御系の切替、3)風外乱やモデル化誤差への適応制御を、新たに機能として組み込むことを目的とする。また産業用途にドローンを利用する顧客をターゲットに、プロダクトを導入した機体開発を行い、産業用途に求められる信頼性と拡張性のニーズ検証を行う。ビジネスモデルにおいては、競合調査やクラウドファンディング・SNSでの周知、パイロットユーザの獲得により、オープンソースでの収益性/拡張性を検証する。
全世界に通用し、フライトコントローラプラットフォームのデファクトスタンダードとなるように、事業化を目標とする。

7.採択理由

ドローン(マルチコプター)の制御ソフトウェアを開発、高度化する提案である。プロペラの位置や角度、本体の形や重心がどうであっても、制御して飛ばすことができる。
開発するソフトがあるとできること、ないとできないことの実例を作って増やして、ドローン設計における必須の、当たり前の存在になって欲しい。

更新履歴

  • 2024年6月28日

    2024年度採択プロジェクト概要(土肥・植竹PJ)を掲載しました。