デジタル人材の育成

未踏アドバンスト事業:2024年度実施プロジェクト概要(スコット・内田・セレスタPJ)

公開日:2024年6月28日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 三木 寛文(みき ひろふみ)
  • MKマネジメント株式会社 代表取締役社長

2. 採択者氏名

  • スコット アトム(名古屋大学大学院情報学研究科知能システム学専攻)
  • 内田 郁真(筑波大学大学院理工情報生命学術院システム情報工学研究群エンパワーメント情報学プログラム)
  • セレスタ プラギャン(筑波大学大学院理工情報生命学術院システム情報工学研究群エンパワーメント情報学プログラム)

3.契約金額(税抜)

  • 15,040,000円

4.プロジェクト名

  • スポーツの指導体験と視聴体験が向上するAI駆動型映像システム

5.関連Webサイト

6.プロジェクト概要

世界トップ50のスポーツクラブの平均評価額は約5,600億円に達し、5年前の2,950億円から87%増加している。一方、グラスルーツ(本プロジェクトでは社会人・育成年代を含めたセミプロ以下のクラブと定義)のスポーツクラブは、放映権やスポンサー契約へのアクセスが限られているため、同様の収益を上げることは難しい状況にある。しかし、日本の高校部活動やアメリカの大学スポーツに見られる熱狂的な人気は、競技レベルに関わらずスポーツに大きな市場機会があることを示唆している。本プロジェクトでは、そのようなグラスルーツレベルに焦点を当て、スポーツクラブ、現場の選手・スタッフ、視聴者コミュニティをターゲットユーザーとする。
グラスルーツのスポーツクラブの主な提供価値は、①指導体験:選手の上達を目的とした監督・コーチによる指導と、②視聴体験:ファンや保護者を含む視聴者コミュニティへのコンテンツ提供である。選手には上達したいという明確なニーズがあり、指導力が高いクラブに選手が集まる。視聴者コミュニティは、選手の成長や活躍を見守り、応援することに喜びを感じている。特に選手の家族や友人といった身近な関係者は、その思いがより一層強い。しかしながら、未だに指導者の経験に基づくアナログな指導による成長機会の損失や、映像を撮影していても編集や共有作業が負担となり、活用できていないクラブが多く存在する。
そこで我々は、スポーツ映像の撮影・編集・共有を自動化し、指導向け・視聴向けにスポーツ映像をコンテンツ化するAI駆動型映像システムを開発する。本製品の機能はパーソナライズされたズーム機能と、個人レベルのハイライト機能で構成される。これにより、グラスルーツのスポーツクラブの提供価値を根本的に向上することで収益性を高めるだけではなく、より良い指導と熱狂的な視聴者コミュニティの形成がスポーツのレベルに関わらず実現可能になる。
グラスルーツのサッカーをエントリーマーケットとして、将来的には他のスポーツへの展開と欧米のプロスポーツ市場への参入見据えて、世界で戦う企業の創出を目指す。

7.採択理由

プロスポーツ界において、テクノロジーの活用による選手のパフォーマンスやチーム戦術のデータ化/可視化がより求められる傾向にある。提案メンバーの開発スキル、PoCに向けたサッカー関係者への人脈も十分に備わっており、そしてなにより、スポーツのテクノロジー活用に賭ける情熱が非常に強い。導入することで試合の結果が大きく左右するような画期的プロダクトを、未踏期間中にぜひ磨ききって頂きたい。

更新履歴

  • 2024年6月28日

    2024年度採択プロジェクト概要(スコット・内田・セレスタPJ)を掲載しました。