デジタル人材の育成

未踏アドバンスト事業:2024年度実施プロジェクト概要(石塚・佐々木・松井PJ)

公開日:2024年6月28日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 原田 達也(はらだ たつや)
  • 東京大学 先端科学技術研究センター 教授

2. 採択者氏名

  • 石塚 達也(東京大学大学院学際情報学府学際情報学専攻/株式会社きゅうりトマトなすび取締役)
  • 佐々木 佑介(東京大学大学院学際情報学府学際情報学専攻/株式会社きゅうりトマトなすび代表取締役)
  • 松井 誠泰(東京大学大学院学際情報学府学際情報学専攻/株式会社きゅうりトマトなすび取締役/トレジャーデータ株式会社)

3.契約金額(税抜)

  • 12,032,000円

4.プロジェクト名

  • シイタケほ場のデジタルツインに基づいた栽培管理支援システムの開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.プロジェクト概要

本プロジェクトでは、ほ場の3Dモデル(デジタルツイン)を基に菌床シイタケの栽培管理を支援するシステムを開発することで、日本のシイタケ栽培における勘と経験をデータ化し、シイタケ産業全体での品質・生産効率の向上及び新規就農の促進を目指す。
健康志向の高まりなどを背景にキノコ市場は拡大しており、2021年時点で8兆円のキノコ市場はCAGR 9.7%で更に成長する見込みである。また最近はヴィーガンなど新しい食のスタイルの広がりも受け、シイタケの需要は拡大を続けている。世界的な需要の拡大の中で、高品質な日本産のシイタケが注目され始めている。
シイタケの主要な栽培方法である菌床栽培では、安定した収量を得るために高度な栽培技術が必要とされる。栽培管理の支援のため、これまでICT技術を活用したスマート農業では環境センシングが主に行われてきた。しかしながら、実際の栽培技術の核となるのは作物の形態情報を用いた状態把握である。
本プロジェクトでは、自動走行するロボット台車を用いてほ場の3Dモデルを構築し、3Dモデルの解析に基づき、芽かきや菌床ブロックの位置変えなどの栽培管理作業を支援するシステムの開発を目指す。栽培管理上必要となる判断をAIによって支援することで、シイタケ農家の収量向上を実現する。

7.採択理由

本プロジェクトは、菌床シイタケの栽培管理を支援するシステムの開発を目的としている。栽培管理の観点では、従来、環境の計測と管理がメインとして行われてきた。一方、本プロジェクトは、ロボット台車とビジョンセンサを用いた三次元再構成により作物の形態情報を中心とした状態把握を目指しており、この点において未踏性があると判断し採択とした。すでにロボットを用いた三次元再構成のプロトタイプはできているものの、実環境における長期運用、安定性、ロバスト性の向上など解決すべき問題も多くプロジェクト期間中の飛躍に期待したい。

更新履歴

  • 2024年6月28日

    2024年度採択プロジェクト概要(石塚・佐々木・松井PJ)を掲載しました。