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2024年度未踏ターゲット事業(量子コンピューティング技術を活用したソフトウェア開発分野)採択プロジェクト概要(野上・吉岡PJ)

公開日:2024年5月29日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 徳永 裕己(日本電信電話株式会社 コンピュータ&データサイエンス研究所 特別研究員 博士(理学))

2.採択者氏名

  • 野上 大輝(九州大学 理学部物理学科)
  • 吉岡 真陸(九州大学 理学部物理学科)

3.採択金額

  • 3,780,000円

4.プロジェクト名

  • 強化学習を用いたZX-Calculusによる量子回路最適化手法の開発

5.応募部門

  • ベーシック部門

6.応募枠

  • 通常枠

7.関連Webサイト

  • なし

8.申請プロジェクト概要

量子コンピュータ上における演算を効率・高速化させ、同時に演算時のエラーの低減をさせるための1つの手法として、量子回路上の量子ゲートの削減などを目的とする量子回路最適化が挙げられる。
本プロジェクトでは、量子プロセス記述のためのグラフィカル言語である ZX-Diagram とその変換法則である ZX-Calculus を用いた量子回路最適化手法と強化学習を組み合わせることで、既存の ZX-Calculus を用いた量子回路最適化手法の有する問題点を改善し、更に、大規模量子回路を取り扱い可能な、将来的な誤り耐性量子コンピュータを見据えて、提案手法の拡張性に関する調査を進めることとする。

9.採択理由

面接においてもプロジェクトテーマに対してよく調査検討していることが確認された。ZX-Calculus の最適化は多くの検討課題があると思われるので強化学習に限らず広く検討しても良いと思う。
量子回路の最適化はハードウェア要件を下げるための重要な開発項目の一つです。本プロジェクトは、ZX-Calculusによる簡約化を量子回路最適化にうまく適応させる方法の提案です。簡約化操作は適応順序や適応方針に任意性があるため強化学習を用いて性能を高めることを試みます。この強化学習の行い方に既に工夫のある提案をしていますので、今後のプロジェクトの進行を期待します。また強化学習に限らず、最適化手法を探っていくのも面白いと思います。

更新履歴

  • 2024年5月29日

    2024年度採択プロジェクト概要(野上・吉岡PJ)を掲載しました。