デジタル人材の育成
公開日:2024年5月29日
私達は、アニーリングマシンを応用することで自動配線アルゴリズムの大幅な性能向上を目指す。社会の情報化が加速する中で電子機器内部の基板は小型化、集積化が求められる。基板上の配線の長さ、形状、密度は電気的特性に直結し、基板の性能を大きく左右する。劣悪な配線は信号に悪影響を与え、電子機器の動作に致命的なエラーを引き起こす。現状、電気的特性を考慮した大規模な基板配線の最適解を得ることは難しい。私達はこの課題をアニーリングマシンにより解決できると考えている。期待できる効果は①電気的特性を考慮することができること②局所解に陥らず、確実に答えを出すことができること③計算時間を短縮することである。また最適化の係数の自動調整手法の確立も考えている。これにより学習データを用いず、短い計算時間や解の多様性、配線時の重視項目の柔軟な調整といった、アニーリング強みを生かした次世代自動配線技術をユーザーに提供する。
申請者らはロケットサークルで回路設計を行なっていた経験があり、量子アニーリングを学んだことがきっかけで回路の配線設計の最適化を提案するに至った。回路設計という最適化問題としても非常に難しい問題に対してアニーリングマシンを使って解決を試みる挑戦的なプロジェクトである。回路設計問題をどのように最適化問題に落とし込むかという部分やソフトウェアの実装部分まで詳細に計画を立てることができており、実現可能性についても高く期待できる。
2024年5月29日
2024年度採択プロジェクト概要(加藤・永山・遠山PJ)を掲載しました。