デジタル人材の育成
公開日:2024年6月25日
本プロジェクトでは、3D CADなどの3Dモデリングソフトウェアにおける直感的な視点移動を可能にする3Dマウスを開発する。
近年3Dモデリングは様々なユーザに広く親しまれており、それを補助するデバイスも多数存在する。中でも3Dマウスは、3Dモデリングソフトウェア上での回転や移動などの複数の視点操作を同時に行える片手デバイスであり、それを使用することで効率的な作業が可能となる。しかし3Dマウスには、操作が直感的ではないという問題点がある。例えば、3Dモデリングソフトウェア上で「オブジェクトの角度」を操作することを考える。現状の3Dマウスはジョイスティック型であるため、3Dマウスが操作するのは「オブジェクトの角速度」である。そのため、ユーザは入力時に「入力角度」と「入力時間」を意識しなければならないばかりか、入力量が複数回変換されて実際の操作量となるため、使いづらさを生じている。
本プロジェクトでは、この直感性の不足という問題を解決するため、トラックボール型入力装置を用いた新たな3Dマウスを開発する。トラックボールによる、地球儀のように3軸とも360回転する機構を開発することで、ユーザに直感的な視点操作を提供する。本デバイスの開発によって、3Dモデリングソフトウェアユーザがより直感的でより効率的に作業を進めることができる環境の実現を目指す。
近年VR/ARやデジタルツインの導入が進んでいるが、3Dモデリングの作業で使う3Dマウスのインタフェースについてはまだ進化の余地が残っている。提案者らは既に市販のボールを組み合わせていくつかのプロトタイプの開発を進めており、過去の実績もある。
疲れにくさ、ボールの大きさ、個人へのカスタマイズなど、たくさんの試作を高速に繰り返してフィードバックを受ける必要がある。提案時の技術選択やHowの手段にこだわり過ぎることなく、ユーザへの価値提供を第一にフィードバックを繰り返しながらプロジェクトを推進していくことを期待したい。
2024年6月25日
2024年度採択プロジェクト概要(西村・髙𣘺・成瀬PJ)を掲載しました。