デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2023年度採択プロジェクト概要(吉田・常次・高安・能崎PJ)

公開日:2023年6月19日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 岡 瑞起(筑波大学 システム情報系 准教授)

2.採択者氏名

  • 吉田 紗彩(東京工業大学生命理工学院生命理工学系)
  • 常次 舞(東京工業大学工学院機械系)
  • 高安 優多(東京工業大学情報理工学院情報工学系)
  • 能﨑 直紀(東京工業大学工学院機械系)

3.採択金額

  • 2,736,000円

4.プロジェクト名

  • 月経中のストレス緩和を目的としたショーツ型経血量測定デバイス

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請プロジェクト概要

本プロジェクトでは、月経中の女性の悩みのひとつである経血の漏れを解決することを目指し、ショーツが汚れる前に経血を察知するためのデバイスを組み込んだショーツ(「アンリークショーツ」と呼ぶ)と、その状況をユーザに通知するためのスマートフォンアプリケーション(以降、アプリ)を開発する。

多くの女性が生理中の紙ナプキンの使用に問題を抱えている。例えば、生理期間中は漏れが目立たないよう黒色のボトムスを履かなければならならないことや、漏れを気にするあまり激しい運動に抵抗感を覚えるなど、紙ナプキンの使用には依然として課題が多い。そこで本プロジェクトでは、ナプキンの状態をセンシングし、漏れる前にユーザに通知するシステムを構築することで、これらの問題から女性を解放する。

具体的には、センサや無線装置、マイコンを内蔵したフレキシブル基板(FPC)をシリコーンでコーティングしショーツに縫いつける。センサにはカラーセンサを利用し、ナプキンの縁に複数個配置する。そのセンサデータを解析することで漏れをユーザに通知する。また電源供給には磁気共鳴を利用したワイヤレス給電を用い、露出する端子を完全に排除する。もし汚れてしまった場合も丸ごと洗えるようにする。

また、本システムでナプキンが吸収した経血量を測定することを想定している。過多月経や過少月経は子宮などの病気のサインになるが、女性の感覚では経血量の異常に気づきにくいため、これらの早期発見が期待できる。

7.採択理由

本プロジェクトは、月経中の女性の悩みである経血の漏れを防止するための、デバイスを組み込んだショーツとスマートフォンアプリの開発を目指すものである。これにより、生理期間中の不便や制限を軽減し、女性の生活の質を向上させることが期待される。

プロトタイプの開発段階においてすでにナプキンの色変化をカラーセンサーで検出できることが実証されており、実現性が高いと判断される。さらに、プロジェクトのイテレーションを通じて、さらなる技術革新や周辺問題の解決につながる可能性がある。

重要な課題に取り組んでおり、これまでのナプキンに関する研究に新たなパラダイムシフトをもたらすことが期待される。これらの理由から、本プロジェクトを採択することが適切であると判断した。

更新履歴

  • 2023年6月19日

    2023年度採択プロジェクト概要(吉田・常次・高安・能崎PJ)を掲載しました。