デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2023年度採択プロジェクト概要(石戸谷・金城・江畑PJ)

公開日:2023年6月19日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 岡 瑞起(筑波大学 システム情報系 准教授)

2.採択者氏名

  • 石戸谷 由梨(お茶の水女子大学理学部情報科学科)
  • 金城 拓登(沖縄工業高等専門学校メディア情報工学科/かまちょっかい株式会社最高経営責任者兼最高技術責任者)
  • 江畑 敬太(東京理科大学先進工学研究科電子システム工学専攻)

3.採択金額

  • 2,736,000円

4.プロジェクト名

  • GPSと合成音声による防犯スマートフォンアプリケーションの開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請プロジェクト概要

本プロジェクトでは防犯用のスマートフォンアプリケーション(以降「アプリ」)を開発する。既に本アプリのプロトタイプに当たるWebアプリケーションを開発しており、プロトタイプでは以下の機能を実現している。

  • 不審者などに遭遇して不安を感じた際に利用するフェイク電話機能
  • ワンタップだけで大音量で助けを呼ぶ防犯ブザー機能
  • フェイク電話中の応答の有無を判別して緊急連絡先に自動で通報をする緊急通報機能
  • 緊急通報が行われた場合の状況を保存するための録音機能

本プロジェクトではプロトタイプで検証したソリューションを、実際にユーザが毎日使えるネイティブアプリへと昇華させる。

本アプリケーションの開発背景として、夜道を歩く女性は男性と比べて多くのことに恐怖を感じ、普段歩く道を足早に歩く・遠回りをすることで不審者への対策を講じている現状がある。本アプリケーションは、このような明確な男女の差である夜道のジェンダーギャップを解消することを目的としている。まずは、プロトタイプでは動作が不安定であったフェイク通話、防犯ブザー、緊急通報、録音等の機能を安定させてネイティブアプリ化することに取り組む。その後、リアルタイムの犯罪共有機能、フェイク通話におけるAIとのスムーズな会話、アプリ内での通話、犯罪率を視覚化したマップの搭載などの機能拡張に取り組むことを想定している。
本アプリは緊急時のみに使用される防犯アプリとは異なり、「日常から女性の帰り道に安心を届ける防犯サービス」をコンセプトとしているため、友人・知人との通話等の日常から使用できる機能を搭載する。普段から利用してもらうことで身近に感じてもらうことでユーザへの定着を促し、日本社会全体への浸透、及び日本社会のジェンダーギャップの解消に寄与したい。

7.採択理由

本プロジェクトでは、「あんしん夜道」という防犯用のスマートフォンアプリを開発し、夜道を歩く人々が安心して移動できる環境を整えることを目指している。このプロジェクトはフェイク通話、防犯ブザー、緊急通報、録音などの機能をアプリケーションに組み込むことで、夜道での安全を確保することだけでなく、夜道でのジェンダーギャップ解消に貢献することにも繋がると考えられる。また、リアルタイムの犯罪情報共有やAIとのスムーズな会話、アプリ内での通話、犯罪率を視覚化したマップの搭載など、革新的な機能を追求していく姿勢も評価される。

本プロジェクトは技術的なチャレンジや社会貢献性が高く、期待される成果によって多くの人々が安心して夜道を歩ける環境が整うと考えられるため、採択するに相応しいと判断した。

更新履歴

  • 2023年6月19日

    2023年度採択プロジェクト概要(石戸谷・金城・江畑PJ)を掲載しました。