デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2023年度採択プロジェクト概要(丸山PJ)

公開日:2023年6月19日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 五十嵐 悠紀(お茶の水女子大学 理学部 情報科学科 准教授)

2.採択者氏名

  • 丸山 礼華(津田塾大学理学研究科情報科学専攻)

3.採択金額

  • 2,736,000円

4.プロジェクト名

  • みんなで遊べる競技かるた

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請プロジェクト概要

「競技かるた」は、百人一首の札を早く取ることを競うゲームである。クリエータは高校・大学と競技かるた部に所属していたが、部活の練習以外でも、親戚や友人との遊びやかるたの体験会を通して、様々な人々とかるたを行う機会があった。札を早く取る楽しさや、札を払う楽しさを一緒に感じられることを嬉しく思っていたのだが、百人一首の和歌を覚えているかどうかや、取る動作に慣れているかどうかが札を取るまでの時間に大きく影響してしまうかるたでは、かるたが好きなもの同士にも関わらず、一緒に楽しむことがとても難しかった。素朴な解決方法として、ハンデをつけることも試したが、大きくルールを変えたり、実力を制限したりすることになり、双方にやりづらさや申し訳なさ、遠慮が生まれてしまった。

そこでお互いが意識しなくて良いようなスキル調整をすることができれば、たくさんの人々が一緒にかるたを楽しむことができるようになるのではないかと考えた。本プロジェクトでは、スキルの差に関係なく一緒に楽しめる、VRを用いた競技かるたシステムを開発する。VRを用いて視覚や聴覚の情報をプレイヤごとに変化させることで、それぞれのプレイヤに異なるスキル支援を行うことが可能になり、相手のスキルセットに影響を与えずにスキル調整が行える。また、双方のプレイヤが知覚することすら困難な支援にすることで、プレイヤの意識をスキル調整に向きにくくすることができる。さらに、現実空間では行うことが難しい支援を行うことも可能になる。
本システムは将来的に、他の対人ゲームにおけるインクルーシブ化(スキルの差や、障がいのあるなしに依らず楽しめること)にも応用、発展が期待できる。

7.採択理由

本プロジェクトは、競技かるたにおいてVRを用いて相手に見えない部分でスキル調整を行い、ハンディキャップをつけることで初心者と上級者が対等に遊ぶことができるようにするという面白い提案であり、インクルーシブを目指した点が素晴らしいと評価した。競技かるたを題材にしているが、スキル調整可能なVRというコンセプトは他のゲームにも応用できる概念であり、「かるた」という形で国境や身体性を超えたゲームを作れる可能性を感じて採択とした。

更新履歴

  • 2023年6月19日

    2023年度採択プロジェクト概要(丸山PJ)を掲載しました。