デジタル人材の育成
公開日:2023年6月19日
ゴールキーパー(以降、GK)はサッカーにおいて特殊なポジションであるが、育成年代では専門のコーチがいないチームが多く、選手は十分な指導を受けられていない。
GKコーチは全国的に不足しており、日本サッカー界のGK人材不足の大きな要因となっている。
試合用のデータ分析システムは数多く存在するが、1試合でGKが受ける枠内シュート数は平均5〜7本程度であり、GKのプレー改善に十分な情報を得られない。
また、試合用のシステムは練習で使用するにはコストが大きく、様々な形状でグラウンドを使用する練習の多様性にも対応できない。
そこで本プロジェクトでは、GKコーチの役割を支援、さらには代替することができる、GKの練習や振り返りの質を高めるためのデータ分析システムを開発する。
本システムは、練習中のゴール前のプレーに集中してそれを詳細に分析することで、GKの練習データを安価で大量に取得し、練習の多様性にも対応できるようにする。加えて、シュートの軌道や速度の計測も可能にすることで、ポジショニングを自由視点で確認できるようにすることも目指す。
これらにより、GKのデータを数百倍のコストパフォーマンスで取得でき、出場機会の少ないGKでも効果的な振り返りと練習ができる環境の実現を目指す。
本プロジェクトは、サッカーのゴールキーパーに特化した練習データ分析システムの提案である。ゴールキーパーに特化したこと、練習におけるゴール前の守備データを集中して取得し利用することからデータ量を増やすことができ、AIで分析可能になる。ゴールキーパーがフィールドプレイヤーに比べて数的不利な問題を技術的に解決していくという点に期待して採択とした。
提案者自身がゴールキーパーであり、技術のこともゴールキーパーのこともよくわかっている彼らだからこそ、選手にとって本当に使えるシステムを開発してくれるだろうと多くのPMが期待するプロジェクトである。
2023年6月19日
2023年度採択プロジェクト概要(王・松尾・染谷PJ)を掲載しました。