デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2022年度採択プロジェクト概要(竹村PJ)

最終更新日:2022年6月20日

1.担当PM

  • 竹迫 良範(株式会社リクルート データプロダクトユニット ユニット長)

2.採択者氏名

  • 竹村 太希(慶應義塾大学 環境情報学部環境情報学科)

3.採択金額

  • 2,736,000円

4.テーマ名

  • 翻訳IMEとInput Method抽象化レイヤの開発

5.関連Webサイト

6.申請テーマ概要

本プロジェクトではキーボードから日本語をひらがなで入力し、適切な漢字かな交じり文を選択すると、翻訳された英文を入力するIME(Input Method Editor)を開発する。これにより、日本語ネイティブなユーザが一から英文を考えることなく、IMEが出力した英文を必要に応じて少し直すだけで簡単に英語を用いたコミュニケーションを取ることができるようにする。一般的な翻訳アプリケーションではなくIMEとして実装することで、いつでもどんなアプリケーションでも翻訳サービスの恩恵を得ることができるようになる。

またIMEの開発の過程で、各種OSに存在するIM(Input Method)の上にインタフェースを共通化した抽象化レイヤを開発する。IMEと抽象化レイヤの間はsocketで通信をする。そのために、IME開発者にとって使いやすいプロトコルを設計・開発する。この抽象化レイヤと通信プロトコルにより、IME開発者は変換エンジンの開発に注力することができるようになり、各OS向けにIMEを実装する際の手間を省くことができる。IME開発者の負担が軽減されることは、本プロジェクトの翻訳IME以外にも様々なIMEの開発が促されることにつながり、今まで種類や活用の幅が限られていたIMEの可能性が広がることが期待できる。

7.採択理由

既存の翻訳アプリは、Webブラウザや文書作成ソフト毎に独自のプラグインを持っていたり、翻訳のための独自のUI入出力画面を持っていたりするなど、主に文章作成の段階で使われることを想定している。たとえば、オンラインゲームで日本語話者とEnglish speakerとでリアルタイムでチャットをするときに、既存の翻訳アプリを使おうと思っても画面越しで翻訳文章のコピーアンドペーストの作業が発生してしまいコミュケーション効率が良くない。

提案者の開発した独自に抽象化したIMEレイヤで日英翻訳のような変換が実行されるようになれば、オンラインゲームの他に、SlackやDiscordなどのチャットツールなどでも、IMEで日本語文章を入力すると英語に自動翻訳されて気軽にコミュニケーションが取れるようになる。日本語入力IMEの実装はOS毎に実装依存の部分が多いが、Input Method抽象化する通信プロトコルも開発する計画も提案の中にあるので、今後、自由な発想で気軽にIME開発ができるような未来が実現することを期待して採択した。

更新履歴

  • 2022年6月20日

    2022年度採択プロジェクト概要(竹村PJ)を掲載しました。