デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2022年度採択プロジェクト概要(饗庭PJ)

最終更新日:2022年6月20日

1.担当PM

  • 首藤 一幸(京都大学 学術情報メディアセンター 教授)

2.採択者氏名

  • 饗庭 陽月(茨城工業高等専門学校 国際創造工学科電気・電子系)

3.採択金額

  • 2,736,000円

4.テーマ名

  • ハードウェアを意識しない組み込み開発環境

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請テーマ概要

近年、Web技術では次々と便利なフレームワークが開発され、開発の敷居が低くなるイノベーションが次々と起きている。しかし、組み込み開発ではそのようなイノベーションが起きていない。そこで本プロジェクトでは、組み込み開発の敷居を下げるハードウェアとそれを使用した開発環境を開発する。

組み込み開発の敷居を下げるために一番ボトルネックになっているのはハードウェア開発である。本システムのハードウェアは

  1. センサ、ディスプレイ、スイッチ、バッテリなどを搭載するModule
  2. Moduleをコントロールするマイコン、電源回路を搭載したCore
  3. CoreとModuleを接続するBase

といった単位にブロック状にパッケージ化されたデバイスで構成される。ユーザは必要なブロックを組み合わせるだけで、困難なハードウェア開発を伴うことなく、目的の組み込み機器を組み上げることができるようにする。加えて、ハードウェアの概念を最小化したライブラリを提供することで、基本的なソフトウェア開発ができるプログラマであれば、誰でも組み上げられたハードウェアの制御をできるようにする。

一般的な組み込み開発では、基板を作ったとしてもそれを実際に運用するためにはそのケースを設計したり、基板の設計ミスを修正したりするなどの工程が発生しうる。本システムではケースと基板は完璧にパッケージ化されるので、ユーザが開発したプロトタイプを即時に運用することが可能になる。

本システムはオープンソースとして公開したり、販売してビジネス化したりする展開を考えている。

7.採択理由

既存の組み込み開発プラットフォーム(ArduinoやM5Stack)では、開発できるものがプロトタイプレベルにとどまる。それに対してこのプロジェクトでは、製品レベルのデバイスをより簡単に開発できることを目指す。望みのセンサを搭載したIoTデバイスをブロックのように簡単に組み立てることができ、簡単にソフトウェア開発できるプラットフォームを開発する。

オープンソースとしての公開、そして製品化まで含めた野心的なプロジェクトである。組み込み機器開発のあり方を変えることを期待している。

更新履歴

  • 2022年6月20日

    2022年度採択プロジェクト概要(饗庭PJ)を掲載しました。