デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2021年度採択プロジェクト概要(藤永PJ)

最終更新日:2021年6月25日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 五十嵐 悠紀(明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 専任准教授)

2.採択者氏名

  • 藤永 弥太郎(筑波大学 情報学群 情報メディア創成学類)

3.採択金額

  • 2,736,000円

4.テーマ名

  • ソースコードの注釈をプログラミングの知見として共有するソフトウェア

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請テーマ概要

プログラミングを学び、エンジニアとして社会問題を解決しようと考える人が増えている。これは「高校生の将来就きたい職業ランキング」の上位にエンジニアが入っていることからも分かる。しかし実際にプログラミングを学習すると、必要な知識の多さに圧倒される。また、ソースコードを書く上での知見の多くは言語化されて共有されていない。つまり学習者にとって有用な知見が熟練者の頭の中に経験として存在している。

本プロジェクトではこれらの経験から来る知見を注釈としてソースコードに紐付けて保存し、共有するシステムを開発する。注釈を付けたソースコード部をハイライトし、その注釈を紐づけることで「なぜその実装方法なのか」「どのように発想したのか」「その処理を行う上でのTips」といったソースコードに内在する知見を共有することができるようにする。また、注釈を付けるソフトウェアだけでなく注釈をホスティングするサービスも同時に開発することで、GitHubのような、ユーザの貢献によってデータが更新されていくエコシステムの作成も目指す。

本システムにより、今まで共有されてこなかった知見が共有されることで初学者の学習効率化、中級者のスキルアップ、ひいてはエンジニア全体の技術力の向上が可能となり、良質なソースコードの生産やイノベーティブなサービスの創出に繋がる。

7.採択理由

本提案では、ソースコードに注釈を付けるためのソフトウェア、知見を共有するためのWebサービス、メタデータを登録するためのAPIの3つのプロダクトを開発する。レビューを知見として貯めていき、コーディングやリファクタリングの過程を可視化することで、これまで失われていたコードへのフィードバックの意図を財産として共有できる良い仕組みであり、プログラミング教育だけでなく、ドキュメント作成などにも幅広く使える可能性を持つとして、採択した。

暗黙知や集合知が好きという提案者には、ソースコードを良質な教科書にしたいという熱い思いがある。プロトタイプシステムでその土台を見せてくれたが、プロジェクト期間ではシステム完成だけでなく、さらにその先の、ユーザが有益な知見を共有し、それが別のユーザに役立ち、さらに改善されるといったエコシステムの創出までを目指してほしい。

更新履歴

  • 2021年6月25日

    2021年度未踏IT人材発掘・育成事業:藤永プロジェクト概要を掲載しました。