デジタル人材の育成
最終更新日:2021年6月25日
布団に入ったまま学校に行きたい、排泄以外布団の中で全部出来るようになれば良いのに。この願いは誰もが一度は抱いたことのある、人類共通の悲願であろう。
布団の中にいる状態で、リモコンやスイッチが手元になくともテレビの電源を入れたり電気を消したり。そういった課題はスマートデバイスの登場によって解消されてきた。しかし、例えばいつもPCで行っている作業や人とのコミュニケーション、それらを包含した社会活動全てを布団の中で完結させる事が出来るデバイスは存在しない。
布団の中に居ながらにして学校にいるのと同等の体験、職場にいるのと同等の生産が出来るようになれば人類のQOLは大きく向上するはずである。そこで得られる価値・体験が同じであるならば、人はよりモチベーションが低くとも実行できる手段をとるはずであり、必要なモチベーションが低ければ低いほどより多くの物事に対して働きかけられるようになると仮定するならば、寝ながらという人間にとっての基底状態は最も行動に適した状態であると考えられる。
本プロジェクトでは、寝ながらに最適化した完全据え置き型のVRシステムを開発することで、人が基底状態にいながらにして最大限の行動・体験が出来るようにする。完全据え置き型という時代に逆行した、寝ながらに最適化しているからこその長所を最大限に生かし、これまで小型化軽量化のトレードオフの中で切り捨てられてきた多くの機能やインタフェースを実装し、新たな体験を生み出すことを目指す。
本提案は、寝ながらに最適化した完全据え置き型のVRシステムの開発である。寝ながら・据え置き型ということで、小型化軽量化とのトレードオフの中で切り捨てられてきた機能やインタフェースを検討していくものである。
すでにプロトタイプを作成しており、その実験で面白い気づきがあったこと、申請書からも面接からも本当に作りたい熱い思いが伝わってきたこと、いままでにない未踏な装置であることなどから、画期的なシステムになることを期待して採択とした。
布団から出たくないといった一般の人にありがちな状況だけでなく、病気療養のためにベッドから出られない人にも使える画期的なシステムになることを期待する。
また、申請書ではプラットフォームを作るところまでを目標に掲げているが、是非、システムとプラットフォームを完成させたのち、魅力的なコンテンツ作成までできるような(一般ユーザを巻き込んでコンテンツを作れるような)ところまでやり遂げて欲しいと期待する。
2021年6月25日
2021年度未踏IT人材発掘・育成事業:迫田・浅野プロジェクト概要を掲載しました。