デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2021年度採択プロジェクト概要(関口PJ)

最終更新日:2021年6月25日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 藤井 彰人(KDDI株式会社 執行役員 ソリューション事業本部 サービス企画開発本部長)

2.採択者氏名

  • 関口 大樹(慶應義塾大学 政策・メディア研究科)

3.採択金額

  • 2,736,000円

4.テーマ名

  • 自律分散的に展開される遊び場を実現するための遊びの制作支援ツールの開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請テーマ概要

本プロジェクトでは、子供たちのやってみたい遊び方を実現可能にする遊び場環境(ハードウェア・ソフトウェアを含む)の構築と、それらの遊び場をユーザが自律分散的に展開、維持していくことができる仕組みを開発する。従来の遊び場のように実環境内でその仕組みが閉じられるのではなく、ユーザが実環境と情報環境を往来することで生じるそれらが重なりあう環境にまで拡張された、これまでになかった新しい遊び場の仕組みの実現を目指す。

実環境では、森林から間伐された、製材されていない状態の間伐材を構造材として使用し、板材やロープなどを二次部材として使用する。そして、子供たちと共に、それらの部材などを用いながら、遊びや遊び場を制作していく。情報環境では、実環境での子供たちの遊びや遊び場の制作を、誰もが容易に支援できるソフトウェアを開発する。

具体的には、部材の3Dスキャンプロセスの環境構築、部材の生成アルゴリズムのプログラム化、自然木を使用して生成された構造体の構造解析、それらの情報を実環境上のユーザに可視化するためのAR・MRインタフェースの開発、複雑な形態の加工や施工などを簡易化し自動化するためのデジタルファブリケーション技術の開発などを行う。最終的には、実際の子供たちとのインタラクションを行いながら、本システムによる遊び場環境の構築を実践する。

7.採択理由

子ども向け遊び場において、安全性を重視するあまり、大人が遊び方を規定した遊具のみとなってしまい、子どもたちの遊び方に対する創造性を奪っているように感じたことはないだろうか。本提案は、自然木などの部材を活用して遊具を自由にデザインできるシステムを開発し、遊び場の新しい形の実現を目指している。

具体的には、部材を3Dデータ化し、バーチャル空間で構造上の安全を確保しながら遊具を設計する。これを実際の遊び場で組みたて遊んでみる。これらのプロセスが非常にユニークであり、本提案を採択した。

提案者にはこの新しい遊び場を、研究目的だけでなく社会に広く発信し、また全国に広げるための仕組みづくりまで行いたいという意思があり、この点にも期待している。

更新履歴

  • 2021年6月25日

    2021年度未踏IT人材発掘・育成事業:関口プロジェクト概要を掲載しました。