デジタル人材の育成
近年、コミュニケーションロボットが多く発売され、我々の生活の中にロボットが浸透してきている。卓上型の小型ロボットも多く、今後さらに安価で高機能なロボットが複数体存在する状況が発生していくと考えられる。また、ロボット同士が会話を行うことで新しい体験をユーザに与えるようになってきた。そのような状況では、同じ外見やアーキテクチャのロボットが用いられている。人がロボットと共生していく未来を創造するためには、種類の異なる様々なロボットが互いにコミュニケーションを取ることができるような環境を構築する必要がある。しかし、ロボット同士の会話制御には以下の2つの問題がある。
全く別々に作られたコミュニケーションロボット同士で会話を実現することが難しい。
ロボット同士の会話を意図した通りに制御することが難しい。
本プロジェクトでは、コミュニケーションロボット同士の会話制御を容易に実現するためのソフトウェアを開発する。本ソフトウェアを通して、様々な種類のコミュニケーションロボット同士による会話を実現し、ユーザとロボットとの新しい関係の構築を目指す。
様々なメーカからコミュニケーションロボットが販売されるようになったが、それぞれのロボットによって開発環境や発話のためのAPI仕様が異なり、複数メーカを超えた統一プラットフォームの枠組みがまだ存在していないという課題がある。本提案は、異種のロボット間のコミュニケーションを統合的に開発できるようなプラットフォームを構築することを目標としている。ロボットの発話や制御のベースにはROSが使われることが多いが、OSのバージョンやAPIの提供方法については各種ロボットによって差があり、それぞれで専用の作り込みの開発が必要になっている。複数のロボット間での会話を統合的に制御できるアプリケーションを開発するのがまずは一つのマイルストーンになるが、将来的には各種ロボット間の仕様差を吸収するネットワークレイヤのミドルウェアにまで発展することを期待したい。