デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2018年度採択プロジェクト概要(小川・山名PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 首藤 一幸(東京工業大学 情報理工学院 准教授)

2.採択者氏名

  • 小川 広水(東京都立小石川中等教育学校5年)
  • 山名 琢翔(東京都立小石川中等教育学校5年)

3.採択金額

  • 1,728,000円

4.テーマ名

  • ヒューマノイドロボットのモーション作成支援システムの開発

5.関連Webサイト

  • https://www.y-modify.org/deepl2
    https://www.y-modify.org/yamax
    https://github.com/Y-modify/deepl2
    https://github.com/Y-modify/YamaX

6.申請テーマ概要

ヒューマノイドロボットを個人で制作し、その制作手法を公開している人はとても少ない。また、ヒューマノイドロボットを制作したいが、技術情報の不足から制作することができないという人が多く見受けられる。ヒューマノイドロボット制作のハードルが高い原因としては、第一にロボット本体を制作することが非常に高度な技術を要すること、そして第二に、ヒューマノイドロボットの制御が難しいことが挙げられる。
我々は、我々独自のヒューマノイドロボットの制作過程をブログやWebページで公開したり、プログラムや3Dモデル、制御基板の設計情報などをGitHubで公開したりすることで、前者の問題の解決に努めてきた。しかし、後者の問題については未だ解決策がない。そこで本プロジェクトでは、ヒューマノイドロボット制作者にその制御の難しさを感じさせないようにするための取り組みを行う。具体的には、ユーザが入力した学習方針に基づき、ヒューマノイドロボットのモーションを生成するシステムを開発する。本システムによって生成されたモーションは、ユーザが独自に制作したヒューマノイドロボットそれ自体は勿論、異なる設計のヒューマノイドロボットでも使用できるようにする。また、これらのモーションを本システム上で共有・再利用可能にすることで、他のユーザが作った学習方針に新たな学習方針を付け足し、新たなモーションを簡単に生成できるようにする。例えば「倒れない」「交互に足をつく」という既存の学習方針と、「前に進むほど高得点」という新たな学習方針とを本システム上で組み合わせて学習させることで、歩くモーションが作れるようになる。本システムにより、中学生程度の技術力でもオリジナルのヒューマノイドロボットの制作および制御ができる環境の実現を目指す。

7.採択理由

ヒューマノイドロボットの開発は難しい。そこで、オープンソースソフトウェアにならって、情報公開・共有を進めて、興味さえあれば誰でも製作できるようにする、という提案である。ヒューマノイド開発では、ハードウェアとて易しいものではないが、例えば、横に歩く、といった制御がまた難しい。そこで、目標とする動作を与えることで、それを達成する制御方法が得られる(強化学習)手法とソフトを開発する。
腕も情熱も非凡な2人である。どこまで突っ走ってくれるか楽しみである。