デジタル人材の育成
藤井 彰人(KDDI株式会社 サービス企画本部 クラウドサービス企画開発部長)
チーフクリエータ
矢萩 寛人(World Wide Web Consortium, Systems Team)
コクリエータ
重田 桂子(慶應義塾大学 環境情報学部)
今日、多くの利用用途でローカルアプリケーションからWebアプリケーションへの移行が行なわれている。この背景には昨今のHTML5関連技術の著しい進歩があるが、2014年に予定されているHTML5正式勧告化の際には今以上の勢いで移行が進むと見られている。
しかしその一方で、実際にWebアプリケーションを開発する作業は、ほとんどがローカル環境上の統合開発環境(以降IDE)で行われている。本プロジェクトではWebベースのIDEを開発し、開発現場においてもWebの優れた環境、世界観が浸透することを目指す。
今までWeb IDEの開発が進まなかった理由として、Webアプリケーションに起因するいくつかの技術的問題があったが、各ブラウザベンダの努力やHTML5関連の各種APIが整備されつつあることにより、ローカルIDEに匹敵する強力なWeb IDEが実現できるきざしがある。本プロジェクトでは最新のWeb技術を用いた強力なWeb IDEを開発する。
本プロジェクトが目指す先は、全ての開発者がWebブラウザのみで全ての業務を行えるようになることである。同時に、単にIDEをWeb化するだけでなく、Webアプリケーションだからこそ出来る各種機能を加える事で、より生産性の高いIDEを目指す。
HTML5のテクノロジーにより、これまではRich Client でのみ実現可能であったサービスのWeb化が様々な分野において急激に拡大している。また、サービスの実行基盤としても、IaaS/PaaSサービスのようなアプリケーション実行基盤の活用が拡大している。
このような環境下において、統合開発ツールのWeb化も当然の流れではあるが、Cloud9などはあるもののまだ十分とはいえない。
本提案は、次世代Webベース統合開発環境の開発であり、まさに大きな可能性を持っている。
クリエーターのHTML5に対する知見や、情熱をぜひ、いつでもどこでも使えるサービスをいつでもどこでも開発できる、クラウドの時代にふさわしい開発環境へと結びつけてほしい。