デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2012年度採択プロジェクト概要(西森PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

越塚 登(東京大学 大学院情報学環 教授、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所 副所長)

2.採択者氏名

  • チーフクリエータ
    西森 友省(香川大学大学院 工学研究科信頼性情報システム工学専攻)

  • コクリエータ
    立川 篤(ヤフー株式会社 コンシューマ事業カンパニー開発本部)

3.採択金額

  • 1,792,000円

4.テーマ名

  • 大学で学べる科目を最大限に活用する時間割ナビシステムの開発

5.関連Webサイト

  • Active Syllabus:http://whitebase.org/as

6.申請テーマ概要

大学に入学すると、高校までとは異なり学生は自分の時間割を開講科目の中から選択して作成する必要がある。開講科目の中には選択科目や必修科目という分類だけでなく、カリキュラムで定められた科目区分から必要な単位数を履修することが卒業要件となるような制約条件も加わる。学生は、膨大な開講科目の中から複雑な条件を判別し、さらに自分の興味を満たす科目、そして将来役に立つかもしれないという科目の選択をしなければならないが、これは決して容易な作業ではない。学生の自主的な努力が求められる一方で、大学側はガイダンスを開く等で大学における履修方法の説明を行う。
本提案ではこのような複雑なプロセスを情報技術で簡素化し、時間割作成に伴う煩わしさから学生、大学関係者を解放すると同時に、学生の興味関心を最大に満たす時間割作成をナビゲーションするためのシステムを開発する。開発したシステムは幅広く全国、全世界の大学で利用されることを目指していく。

7.採択理由

本提案は、複雑化する大学のシラバス構造及びその構造の中から、学生本人が自分の望む科目の履修計画を立てるスケジューリングが困難化しているという、現状の大学の課題の解決を目的としている。
そのために、まずシラバス情報を分析した上で、様々な履修上の制約を取り入れ、自分の興味や好みにあった時間割を構成するサービス及びそれを実現するシステムの開発をする。問題意識も共感できるものがあり、アルゴリズム設計とコーディングを適切に行なえば、実用的かつ、未踏事業期間で十分に開発可能な規模であると考えられる。
現在、大学の履修条件などは複雑化しており、完全に機械的に処理できないケースも多いため、そうした条件や制約の正確性を追求するよりは、むしろ、学生の視点にたって、学生の関心のある基準を反映するなど、現状の提案を更にブラッシュアップした上で、すぐにサービス開始が可能なシステムを開発することが期待される。