デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2011年度採択プロジェクト概要(田村PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

首藤 一幸(東京工業大学 大学院情報理工学研究科 数理・計算科学専攻 准教授)

2.採択者氏名

  • チーフクリエータ
    田村 佳也(フリー)

3.採択金額

  • 1,792,000円

4.テーマ名

  • 条文の部品化による契約書再利用プラットフォームの開発

5.関連Webサイト

  • http://www.fude-bako.com/keiyakusyo

6.申請テーマ概要

作る側にも、読む側にも「契約書」は実に難解なものである。そのため大部分の人は、ハンコを押す前に内容を理解するのに苦労している。また当事者間の信頼関係を尊重し、波風を立てるような交渉は避けられ、契約が形骸化してしまうことも少なくないはずである。
そこで本提案では、より合理的に契約書を作成、理解、交渉、再利用できるシステムを提案する。このシステムは、契約書の難解な「言い回し」にとらわれる事無く「パラメータ」を検討することで、契約の速度と精度を向上させる。
作成する側は「契約書作成フォーム」にその契約のパラメータを設定することで、契約書を出力することができる。また同時に出力される「契約説明書」が契約の要点となるパラメータとその意味を解説し、読む側の理解を助ける。そして「交渉プラットフォーム」上にて、その契約書にいかなるパラメータが設定されるべきか、当事者間で調整を行うことができる。
このシステムを利用することで、契約が「責任の押し付け合い」から「信頼関係深めるプロセス」になるような、そんなプラットフォームを目指し開発したいと考える。

7.採択理由

契約書の「作成」、内容「確認」、契約書を用いた「交渉」や調整を容易にするWebサービスの提案である。
雛形を元に素早く契約書を作れるようにする。当事者が内容を素早くクリアに理解でき、迅速に調整できるようにすることで、ともすれば不信の温床となる契約というものを、信頼関係を深めるプロセスとすることを目指す。
中長期的には、契約書・法律・判例は読みにくいという問題を解決すべく、各所が参照し合って絡み合っている文章を構造化・整理する方法も考えていく。
社会に一石を投じられる提案である。私も欲しい。開発の腕には何ら不安はないが、現場で使えるものまで至ることができるかは未知数である。楽しみにしている。