デジタル人材の育成
公開日:2023年6月30日
ダンスが今、多角的な面から盛り上がりを見せている。日本では2012年よりダンスが中学校の体育で男女ともに必修化し、2024年のパリオリンピックでブレイクダンスが正式競技として採用されるなど、教育や競技としてのダンスが注目されている。また、日本発のプロダンスリーグ、D.LEAGUEが2021年に発足しダンサーがダンスのみで稼ぐことができる世界を目指す取り組みがなされている。これらを鑑みると、今後ダンスの市場規模がさらに拡大する可能性がある。
こういったダンスに対する追い風を「テクノロジー」を使うことでより加速させる。具体的には機械学習を用いることで既存のダンス表現を拡張し、「ARダンス」として昇華させる。このARダンスを簡単に撮影・制作・共有できるようにする。
本プロジェクトでは、「スマートフォンからの操作で機械学習を行い、ダンス表現を拡張するARエフェクトを付与した映像を他者と共有できる」アプリケーションを制作し、運用する。エフェクトが付与されることで生身の肉体だけではできない表現が可能になる。既にダンスに自信がある人はより魅力的に踊ることができ、ダンスに自信がない人でもエフェクトの力で自分をより魅力的に見せることが可能になる。これによりダンスに対する敷居を下げ、かつ表現をより豊かにすることで、ダンス業界の間口を広げる。このARダンス事業を通してダンス業界を盛り上げていく。
事業計画としては、まず機械学習を用いたARエフェクトの精度向上および表現力向上に取り組み、アプリケーションのブランディングに注力する。その後、継続利用したくなるような施策やファンコミュニティ形成などにより、ユーザー獲得を行う。その上で、ダンサーコラボフィルター制作や、ダンサーへのマネタイズ機能の制作、ダンススタジオやイベントとのコラボなどで収益化を図る。
既存のダンスコアファン層向けだけだとニッチなのは否めないが、ダンスには熱狂度が高いコンテンツ性がある。有力なコンテンツ提供ユーザーに加えて、ダンスだけでないタレントプロデュースに繋げる工夫などにより周辺の潜在ファン層にまでアプローチを拡大できるなら、ファンビジネスの事業モデルとの相性は良いと思われる。SNS拡散やメディア連動などを通したユーザー獲得、ARエフェクト合成から継続利用性のあるキラー機能の提供、コミュニティ形成、マネタイズなど総合力が試されるが、これまで十分に研鑽を積んだプロダクト開発経験を活かして、新しいトレンドやマーケットの創出を期待している。
2023年6月30日
2023年度採択プロジェクト概要(伏木・辰己PJ)を掲載しました。