デジタル人材の育成

未踏アドバンスト事業:2023年度実施プロジェクト概要(吉田・近藤・渡辺・橋本PJ)

公開日:2023年6月30日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 石黒 浩(大阪大学 大学院基礎工学研究科 システム創成専攻 教授(特別教授)/ATR石黒浩特別研究室室長(ATRフェロー))

2. 採択者氏名

  • 吉田 貴寿(東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻)
  • 近藤 豊生(デジタル庁)
  • 渡辺 貴史(株式会社Preferred Robotics)
  • 橋本 大輝(株式会社N sketch)

3.契約金額

  • 14,400,000円

4.プロジェクト名

  • 力覚遍在化技術の社会実装のためのプラットフォームの実現

5.関連Webサイト

  • なし

6.プロジェクト概要

家が「かしこく」なる未来に、私たちの生活はどう変わる?

本プロジェクトは、「ひとと空間のふれあいを再構築する」というビジョンに基づいて、計算機科学によって高度に知能化された生活空間が人間の意図や行動を理解するための技術開発を目指す。プロジェクトの核となるのは、空間内のデジタル化されていないあらゆる物体の表面をタッチセンサ化する「力覚遍在化技術」である。未踏アドバンスト事業では、遍在化した力覚入力システムを自由に設計できるソフトウェアと、既存の空間を力覚化できるハードウェアの開発によって、本技術の社会実装を促進するプラットフォームを実現する。

力覚遍在化技術は、提案者チームがこれまで開発してきた「力覚センサグリッド」と「力覚解析アルゴリズム」を利用して、空間内の物体の力学的接触の3次元位置とその力の強さ・向きを同時に推定する技術である。これらの技術によって、床面に力覚センサを埋め込むだけで、机や棚などのあらゆるインテリア表面がタッチセンサとなり、タップやスワイプなどのジェスチャーを認識できるようになる。人間の意図や行動をリアルタイムに空間が理解することによって、インタラクティブで革新的な空間体験を実現する。

私たちが提案する技術は生活する人間の意図や行動を空間が理解する基盤的技術である。そのため、応用範囲はインタラクション分野にとどまらず、スポーツ科学・アミューズメント・医療ヘルスケアなど幅広い範囲にわたる。力覚入力は直感的で認知負荷が低く、操作性が高い入力手法である。さらに音声や映像入力システムと組み合わせることで、高い身体性・操作性をもつ入力システムを実現する。本プロジェクトを通じて、私たちはすべての人々が誰ひとり取り残されることなくデジタル化の恩恵を受けられる世界を目指す。

7.採択理由

床センサの新しい技術を用いたインターフェースの提案。
床センサで接触点の空間位置を特定する技術は汎用性が高く、様々な利用が考えられる。
すでに特許を取得している点はビジネスを展開する上で高く評価できる。
これまでにも床センサを用いた提案は数多くあったが、過去の提案よりも技術としても実用性としても優れている。
様々に実用的なシステムを考案しビジネスを成功させてほしい。

更新履歴

  • 2023年6月30日

    2023年度採択プロジェクト概要(吉田・近藤・渡辺・橋本PJ)を掲載しました。