デジタル人材の育成

未踏アドバンスト事業:2023年度実施プロジェクト概要(熊澤・池田・石井PJ)

公開日:2023年6月30日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 平野 豊(平野リサーチラボ 代表)

2. 採択者氏名

  • 熊澤 龍生(慶應義塾大学総合政策学部)
  • 池田 悠也(東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻)
  • 石井 修都(東京大学理学部物理学科)

3.契約金額

  • 14,400,000円

4.プロジェクト名

  • AIでアパレル二次流通ECの購買体験を最適化するアプリケーションの開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.プロジェクト概要

アパレル産業全体のCO2排出量は12億トン。これは国際航空業界と運輸業界の排出量合計を超えており、アパレル産業のサステナブル化は、環境問題を解決するための重要な課題の1つである。我々は、アパレルの二次流通を拡大し、服の消費のシェアを奪うことで、環境負荷の大きい膨大なアパレル生産に歯止めをかけられると考えている。

アパレルの二次流通商品はファストファッションにも対抗できる価格競争力があることに加え、服のバリエーション、ブランド、唯一性などを求める若者の需要にフィットしており、若者を中心に多くの購買がなされている。さらに、ECによって全国の消費者と二次流通企業から適切な服を買える体験を作れれば、アパレル二次流通は巨大な産業となるポテンシャルがあるだろう。

一方で、現状のフリマアプリでの古着探しは、「欲しいアイテムの言語化」「検索結果をスクロールして目的の商品を探す」という過程がストレスフルなうえ、着用したイメージが掴みにくいため魅力的に思われないという問題があり、この問題がEC市場拡大の障害となっていると考えられる。

我々はMVPを用いた仮説検証を通じて、キュレーションおよび着画画像の用意によってこれらの問題を解決できることを明らかにした。さらに、古着は多品種単一商材であることから、自動化によってスケールさせることが不可欠であると考えた。

そこで、本プロジェクトは、AIによるスケール可能なアパレル二次流通アプリの開発により、次世代の二次流通の購買体験を作ることを目指す。全自動のキュレーションシステムと高精度な着用画像生成技術の開発を行い、それらをアプリとして実装することが開発の目標である。我々はアパレル二次流通に関するドメイン知識とユーザー接点から、適切な体験や機能を描くことができる。さらに、深層学習に関する研究開発スキルに加え、独自のデータセットやレコメンデーションシステムを保有しており、リアルなデータに基づいた分析や学習を行うことが可能である。

本プロジェクトで作成するアプリを通じて、アパレルの二次流通市場の拡大、そして産業のサステナブル化を目指す。

7.採択理由

AIによる古着キュレーション・レコメンデーションサービスアプリReListの提案。ファッションに特化した独自の言語・画像解析AIを開発しており、技術的未踏性は高い。事業性についてもz世代をメインターゲットとしてユーザリサーチを行いアプリへのニーズは確認している。現状は手数料ビジネスを指向しているが、それだけではスケールは難しいと思われる。ビジネスモデルの磨き込みと技術開発の重点戦略、特許戦略などについて指導していきたい。

更新履歴

  • 2023年6月30日

    2023年度採択プロジェクト概要(熊澤・池田・石井PJ)を掲載しました。