デジタル人材の育成

未踏アドバンスト事業:2023年度実施プロジェクト概要(早川・藤野PJ)

公開日:2023年6月30日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 原田 達也(東京大学 先端科学技術研究センター 教授)

2. 採択者氏名

  • 早川 怜志(東京大学大学院薬学系研究科)
  • 藤野 倫太郎(東京理科大学創域理工学部社会基盤工学科)

3.契約金額

  • 14,400,000円

4.プロジェクト名

  • スポーツにおけるアダプティブラーニングシステムの開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.プロジェクト概要

部活動の練習を超効率化することを目的として、スポーツにおけるアダプティブラーニングアプリケーションを開発する。本アプリケーションは、スポーツ動作をリアルタイムで解析し動作をスコア化することを通じて、個人に最適な練習方法を導きだすシステムである。このシステムを社会に浸透させることで、誰でも成長を実感しながら最適な練習を行えるようになり、誰でも最短距離で上手くなれる世界を作る。それにより、部活動の長時間練習問題を解決する。

部活動の長時間練習問題は、部活生の健康上や教育上において解決すべき課題を抱えている。特に、高校や大学野球部では他の部活動よりも練習時間や疲労による怪我が長く、熱中症の死亡数が最も多いことが報告されており、早急な改善が必要である。そこで本プロジェクトではまず、最も問題の根深い高校以上の野球部を対象として、野球部員が全員練習する打撃の上達の効率化を実現するサービスの開発に着手する。練習中の打撃動画を解析することで動作のスコア化を行い、スコアに対する最適な練習をリアルタイムでフィードバックするシステムの構築を行う。これによって、打撃の上達に必要な練習量を大幅に減らし、理想のスマート部活動を実現する。さらに、このシステムの対象をあらゆるスポーツの、あらゆる年齢の人に広げることで、全部活動のスマート化と生涯スポーツへの動機づけを高めていく。これによって持続可能な開発目標である『全ての人に質の良い教育を』および『全ての人に健康と福祉を』の実現に貢献する。

7.採択理由

本プロジェクトは、スポーツ動作を解析し、その動作の質を定量化することで、個人に最適な練習方法を提案するシステム開発を目的としている。日本では部活動において、的確な指導が行えるコーチの不足、非効率的な長時間練習、これらに伴うケガや熱中症などが問題となっている。本プロジェクトは、スポーツの質を向上させるだけではなく、これらの社会問題にも取り組むものである。また、提案者自身も大学の野球部出身であり、その経験から生まれる地に足の着いたサービスの実現や、上記社会問題解決は未踏性が高いと考えられる。従って、本プロジェクトは未踏アドバンストに相応しいと考え採用と判断する。

更新履歴

  • 2023年6月30日

    2023年度採択プロジェクト概要(早川・藤野PJ)を掲載しました。