デジタル人材の育成
公開日:2023年6月30日
我が国において心肺機能停止状態で救急搬送される患者は、年間12万人を超える。このうち80%を超える患者が虚血により死亡し、生存者の7割超が低酸素脳症により通常の生活に復帰できずにいる。一般的に脳虚血が5分以上持続すると、不可逆的な機能障害が発生する。虚血および低酸素脳症の予防には、院外心停止患者への一次救命処置が重要であり、心停止を目撃した市民や救急隊員が現場で適切な胸骨圧迫を実施することが必要不可欠である。
しかしながら、胸骨圧迫の質は術者によって大きな差が存在する。現状、屋外での緊急時や救急搬送時において、適切かつ継続的な胸骨圧迫が実施されているかどうかを評価し、改善するといった行為は行われていない。術者間の技量の差をなくし、質の高い胸骨圧迫を全国規模で実現するための技術開発は、極めて重要な社会的課題である。
そこで本プロジェクトでは、生体情報をもとに院外心停止患者に対する胸骨圧迫の効果をモニタリングし、術者にバイオフィードバックする非侵襲的かつ小型なデバイスを開発するとともに、事業戦略を立案・推進することを目的とする。
日本では、心肺機能停止状態で緊急搬送される多くの患者が虚血のよる死亡もしくは低酸素脳症による後遺症より社会復帰が難しい状況におかれている。この予防のためには心肺停止時から早急かつ適切な胸骨圧迫の実施が必要不可欠である。本プロジェクトは、胸骨圧迫の効果をモニタリングし、術者にフィードバックする非侵襲的かつ小型なデバイスを開発するものである。このようなデバイスは未だに存在せず、また社会的意義を鑑みると、その未踏性は高いと考えられる。従って、本プロジェクトは未踏アドバンストに相応しいと考え採用と判断する。
2023年6月30日
2023年度採択プロジェクト概要(江國・三澤・田中・桐山PJ)を掲載しました。