デジタル人材の育成

未踏アドバンスト事業:2022年度実施プロジェクト概要(山本・西田PJ)

最終更新日:2022年7月4日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 石黒 浩(大阪大学 大学院基礎工学研究科 システム創成専攻 教授(特別教授)/ATR石黒浩特別研究室室長(ATRフェロー))

2. 採択者氏名

  • 山本 愛優美(慶應義塾大学環境情報学部)
  • 西田 翔平(法政大学情報科学部)

3.契約金額

  • 10,000,000円

4.プロジェクト名

  • 感情共有を促進する心拍フィードバック装置の開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.プロジェクト概要

もしも「心」が可視化されたら、社会はどう変わる? 本プロジェクトでは、身近な「心拍」による脈動変化を可視化し、感情を「見せる」新たなコミュニケーション方法を提案したい。 これは以下の通り、学術面・社会面の両側面からインパクトをもたらす取り組みである。

学術的意義
我々が幸福でポジティブな人生を歩むために、対人コミュニケーションが重要な役割を果たすことは、昨今のポジティブ・コミュニケーション研究で明らかになっているものの、それらがどのような要因で促進されるかは、現在も議論の段階にある。 そこで、Emotionと関連性の高い生体情報を可視化するデバイス(Biofeedback Object)を開発し、これまで生体情報利用が多く行われてきていた個人場面から対人コミュニケーション場面へとシーンを拡大させ、実証研究を行うことは、ポジティブ・コミュニケーション領域に大きく寄与すると考えている。

社会的意義
また、バイタルセンシング技術を、医療や健康管理の場面からよりカジュアルな日常生活のコミュニケーション場面に広げていく試みは、 既存の市場領域から、生体情報利用の可能性を大きく広げる新たな挑戦となると考えている。 遠くない未来、我々のコミュニケーションの障壁は限りなく無くなり、全てを超えて、この瞬間のこの感覚を、共有していけるようになるのかもしれない。 そのような過程において、本アイディアは、これまで伝えられなかった感覚を伝えられるようになる、コミュニケーションの「きっかけ」を生み出すものになると考えている。 小型な心拍フィードバック装置を起点に「生体情報の可視化」が当たり前の選択肢として社会実装されれば、「日常のコミュニケーションが、これまで経験していたよりも遥かにエモーショナルなものに変わっていく」だろう。そのような世界を、プロダクトを通して社会に問いかけていきたいと考えている。

未踏アドバンスト期間では、プロダクトの製品化に向けた量産設計・試作と様々な場面での社会実証実験を行っていく。

7.採択理由

心拍を基にした感情表現アクセサリーの開発。重要なのは、心拍以外の情報も読み込めるようにすることと、それに基づく感情の効果的な光による表現方法を見つけることである。無論、小型軽量のデバイスを作ることも重要である。そして、それらをもとに、SNS等を活用してブームを生み出すことができれば、ビジネスになる可能性は高い。

提案者のプレゼンテーションは、開発するデバイスの魅力をうまくアピールするものであり、提案者には、新たなブームを起こす素質があると見受けられる。デバイス開発と、普及方法双方でイノベーションを起こすことを期待したい。

更新履歴

  • 2022年7月4日

    2022年度採択プロジェクト概要(山本・西田PJ)を掲載しました。