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未踏アドバンスト事業:2022年度実施プロジェクト概要(山口・張・渡辺PJ)

最終更新日:2022年7月4日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 原田 達也(東京大学 先端科学技術研究センター 教授)

2. 採択者氏名

  • 山口 大翔(東京大学工学系研究科建築学専攻)
  • 張 啓帆(東京大学工学研究科建築専攻)
  • 渡辺 顕人(慶應義塾大学政策・メディア研究科 政策・メディア専攻)

3.契約金額

  • 10,000,000円

4.プロジェクト名

  • 3Dスキャンによる空き家改修の支援ツール開発

5.関連Webサイト

  • なし

6.プロジェクト概要

本プロジェクトでは、3Dスキャン技術を用いた空き家改修の設計支援ツールSAKIYA(サキヤ)を開発する。日本では空き家が増加の一途をたどり、地方を中心に放置された状態の物件が頻繁にみられる。空き家は不動産価値が不透明で、市場の流動性が低く、多くの空き家を抱える過疎地域の自治体はその処分に頭を抱えている。テレワークや多拠点居住等、ライフスタイルの多様化に伴い、地方の空き家物件に対する需要は広がりつつあるが、空き家特有の改修に対する技術的、コスト的ハードルが課題となっている。

本プロジェクトは3Dスキャン技術とセンシング技術によって空き家の現況をデータ化し、改修や移築案の検討を圧倒的に簡易化する設計支援ツールを開発し提供する。具体的には、空き家の形状をスキャンするカメラと腐食等の要補修箇所を検知するミリ波レーダー、サーモグラフィを搭載したドローンを開発し、多角的な空き家評価情報を組み込んだ3Dモデルの作成を自動化する。3Dモデルによる空き家の正確な現状把握は、改修に係る検討までのプロセスをシームレス化し、改修コストの見通しを明確にできるため、新築や分譲住宅市場に代わる第三の選択肢として空き家市場を位置付けることが可能となる。

7.採択理由

日本では少子高齢化の影響により、空き家が急速に増加することが見込まれ、その管理や活用は大きな社会問題になりつつあります。この問題を解決するために、本提案では三次元スキャン技術とミリ波・サーモグラフィのセンシング技術によって、空き家の現況をデータ化することで改修や移築案の検討を簡易化する設計支援ツールの開発を目指しており、社会的意義が高いと考えます。

また、本プロジェクトは空き家の三次元形状を自動的に取得するだけではなく、腐食等の要補修箇所の定量化や、漏水や塗布材の剥離を検知する手法の開発も含まれ、技術的な未踏性も高いと思います。従いまして、本プロジェクトは未踏アドバンストに相応しいと考え採用と判断しました。

更新履歴

  • 2022年7月4日

    2022年度採択プロジェクト概要(山口・張・渡辺PJ)を掲載しました。