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未踏ターゲット事業:2019年度採択プロジェクト概要(三好PJ)

最終更新日:2019年7月19日

1.担当PM

藤井 啓祐(大阪大学 大学院基礎工学研究科 教授)

2.採択者氏名

三好 健文(わさらぼ合同会社)

3.採択金額

2,880,000円

4.テーマ名

FPGAによる量子コンピュータシミュレーションシステムの開発

5.関連Webサイト

なし

6.申請テーマ概要

 量子コンピュータ向けのアルゴリズム開発のためにシミュレータは必要不可欠であり、アルゴリズム開発を短いサイクルで行なえるようにするにはシミュレータの高速化が必要である。量子コンピュータのシミュレーションは、その性質上、データ並列性を活用することで高速化することができる。並列性を活用した量子コンピュータ専用ロジックをFPGA上に実装することで、シミュレーションの高速化、特に消費電力当たりの高速化が期待できる。
 本プロジェクトでは、FPGAを用いた量子コンピュータのシミュレータの実現を目指す。量子ビットの演算に相当する高速なテンソル計算処理ユニットあるいはQubitの振舞いのエミュレーションを高速化するために、データ並列性を活用できるように複数の演算ユニットを並べ、また、シミュレーションに特化した演算方式を導入することで、FPGA上で効率良く動作するアーキテクチャを模索する。模索したアーキテクチャは、実際に小型のFPGAボードあるいはクラウドFPGA環境上で実行して評価できるようにする。
 量子アルゴリズムを開発する研究者や開発者に使ってもらうためには、既存の量子アルゴリズム開発環境と組み合わせて開発できることが望ましいと考えられる。そこで、実用的なシステムの実現を目標に、既存の量子シミュレーションプログラムのバックエンドとして利用できるような環境の実現を目指す。加えて、シミュレーションシステムをFPGA上に実装するという特色を活かし、実際の量子ビットの開発向けの周辺制御ユニットやアーキテクチャの開発でも利用され得ることを目指す。

7.採択理由

 量子コンピュータの実機は発展途上中であり、その性能評価・検証およびソフトウェア開発においてシミュレータの存在は欠かせない。量子コンピュータのハードウェアの開発グループやソフトウェア開発のベンチャー企業などがソフトウェア開発環境も提供しているが、マルチCPUやGPUによる並列化にとどまる。FPGAを用いた量子コンピュータのシミュレータは未踏領域であり非常に挑戦的な課題ある。
 一方、量子コンピュータのシミュレータにおいて必要となる演算は一見複雑にみえるが単純な計算の繰り返しであり、三好氏がFPGAの専門家としてこれまで数々の業績を上げられてきたことを鑑みると、この挑戦的な課題にも解決することができると判断し採択した。
 また、FPGAは、量子コンピュータのシミュレータとしてのみではなく、現在量子コンピュータ実機の制御系としても利用されており、このプロジェクトを通してFPGA人材が量子コンピュータに興味を持つことにより、量子コンピュータの実機開発にも大きな影響を及ぼしうる。

更新履歴

2019年7月19日 2019年度採択プロジェクト概要(三好PJ)を掲載しました。

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