デジタル人材の育成
公開日:2025年7月23日
最終更新日:2025年7月23日
広島情報専門学校 渡邉 慶太様
広島情報専門学校でサイバーセキュリティ教育を担当されている渡邉 慶太様は、ゴールド資格を持つ情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)として、専門学校内での教育はもちろん、高校との連携教育や講演活動にも積極的に取り組まれています。
インタビューでは、資格取得の背景や教育現場での実践、そして学生の将来像をイメージしながら成長を支えることのやりがいについて語っていただきました。
試験を受けたきっかけとして、当専門学校では学生に情報処理技術者試験の受験を推奨している関係上、自身においても必要なので2017年4月に「情報処理安全確保支援士」資格が創設されたことを受け、初回試験に挑戦しました。
受験勉強については、参考書も分厚く、始める前から苦労を感じました。
学校業務の合間を縫って夜間や休日に勉強時間を確保するのは大変でした。しかし、情報セキュリティの授業を担当していたことや、他のIPAの試験を経験していたことが後押しとなり比較的スムーズに合格まで辿り着けたと思います。
当専門学校には、ホワイトハッカーなどの専門技術に憧れる学生が多くいます。そうした学生たちが目指す学びの一つとして、「情報処理安全確保支援士」試験・資格はふさわしいと感じたことが、私自身が試験を受け、資格取得を目指す大きなモチベーションになりました。
登録セキスペの資格取得については、私にとって業務に携わる運転免許証のようなものと考えており、資格取得に迷いはありませんでした。
昨今、サイバーセキュリティへの関心が高まる中、広島県を中心に周辺の県の高校から授業の依頼が増えています。DXハイスクールでは情報教育の強化が進められており、専門的な助言や講演へのニーズも拡大しています。こうした背景のもと、登録セキスペとしての活動は社会的意義が大きく、日本全体のセキュリティ意識の向上に貢献するものと感じています。
高校での講演で、単に知識を教えるだけでなく、生徒の意識や価値観を育てることも含まれています。
特に情報セキュリティの必要性については、情報社会の安全を支える基盤として非常に重要です。何気ない行動がトラブルにつながる現代では、早期教育がリスク回避の鍵となります。
授業では実演を通じて関心の薄い生徒にも危機意識への気づきを促すきっかけにすることは、教育者としての使命を強く感じています。
更新のための講習で得られた知識については、専門学校内のゼミで活用しています。学生が、セキュリティシステム開発についての議論を行う際の指導・監修をするときに役立てています。
また、受験勉強で得られた知識については、試験対策の授業で活用しています。自身の試験勉強を、受験テクニックやノウハウとして活用し、合格者の増加に貢献できています。
私は他にも資格を取得していますが、取得後に学びが止まりがちでした。
定期的なオンライン講習は知識の更新に役立ち、私のようなタイプには非常にありがたい制度です。
同じ分野でも講習を重ねることで新たな視点が得られ、理解が深まります。最新の脅威や技術に対応する力が養われるだけでなく、一般の方にも分かりやすく説明できる力も同時に身についていると感じています。
試験に合格することも意義深いですが、知識を習得するだけで終わらせてしまうのは少々惜しいと感じています。だからこそ、実際に登録という形で社会的な認証を得ることに、大きな価値があると私は考えています。
登録セキスペとして、情報セキュリティリスクに対する意識を高めるため、学校内の啓発活動や教育に積極的に取り組んでいきたいと考えています。
たとえば、情報セキュリティに関するインシデントが発生した時に多くの人は自分で対処できず、誰かに頼る必要があります。そのとき、登録セキスペという肩書きが信頼の拠り所になるのは大きな意味があります。
またこの資格は、信頼関係を構築する上で大きな武器となりました。
登録は、皆さんの人脈形成の一助となるはずですので資格を武器に情報セキュリティの分野で活躍できることを祈念しております。