デジタル人材の育成

2023年度未踏ターゲット事業(量子コンピューティング技術を活用したソフトウェア開発分野)採択プロジェクト概要(福田PJ)

公開日:2023年5月29日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 田中 宗(慶應義塾大学 理工学部 物理情報工学科 准教授)

2.採択者氏名

  • 福田 修之(株式会社NTTドコモ クロステック開発部)

3.採択金額

  • 3,600,000円

4.プロジェクト名

  • 個別指導塾向けのコマ割り自動化サービスの開発

5.応募部門

  • ベーシック部門

6.応募枠

  • 通常枠

7.関連Webサイト

  • なし

8.申請プロジェクト概要

本プロジェクトでは、個別指導塾で夏期講習などの定期講習のたびに教室長が行っている生徒と講師の授業のコマ割り業務(授業のシフト情報作成)を量子アニーリング技術により、一瞬でコマ割りを完了させる、コマ割自動化サービス塾コマの開発を行う。
コマ組みとは、塾のコマ割り作業(講師と生徒の比率が1:3などの講義スタイルにおいて、どの時間帯にどの講師がどの生徒にどの科目の授業を受け持つのかを決める作業)であり、講師側の教える事が可能な科目が決まっている点や生徒と講師の相性を加味しなければならない点など、複数の事象を考慮して行わなければならず、教室長が数週間程度かけて行わなければならない重労働となっている。
本プロジェクトでは、上記の制約条件やアルバイト講師の人件費などを加味して、教室長が作成するコマ組みの結果よりも優れたコマ割りの結果を提供できることを目標とし、塾コマを使った塾の教室長を驚かせるような体験を届ける。そのために、量子アニーリングを用いたコマ組みのアルゴリズムの開発と、コマ組みに必要な学習塾側の情報を入力するWebアプリケーション、コマ割り結果を配信するバックエンドのシステムの開発を行う。その後、塾経営者層への広報活動を通して、塾コマを実際に使ってもらい、学習塾への普及を目指す。

9.採択理由

本提案は、教育業界におけるDXを目指すものであり、特に学習塾におけるコマ組み業務の支援を行うソフトウェア開発を目指している。学習塾におけるコマ組み業務は、講師が担当可能な科目や時間、生徒が受講したい科目や都合の良い時間、講師と生徒の相性、それぞれの学習塾における講義スタイル等を考慮して決定しなければならず、最適化が極めて難しい。
申請者はこの課題に対応するソフトウェアを開発することを目指している。当該ソフトウェアの幹となる最適化部分にはアニーリングマシンを用いることを検討しており、それに加え、学習塾で働く方々が使いやすいwebアプリを開発することも予定している。現段階で既に第一バージョンのソフトウェアを開発中であり、申請者の強い意欲を感じる良い提案である。
未踏ターゲット事業期間に、ソフトウェア開発に加え、学習塾や周辺領域へのヒアリングを徹底的に行い、当該ソフトウェアの真の意味でのプロトタイプ版を開発することを期待している。また、発想を広げて、様々な横展開についても検討すると良いと感じる。

更新履歴

  • 2023年5月29日

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