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2023年度未踏ターゲット事業(量子コンピューティング技術を活用したソフトウェア開発分野)採択プロジェクト概要(寺島・石合・本田・青木PJ)

公開日:2023年5月29日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 田村亮(国立研究開発法人 物質・材料研究機構 マテリアル基盤研究センター チームリーダー/東京大学 大学院新領域創成科学研究科 講師)

2.採択者氏名

  • 寺島 悠登(慶應義塾大学 大学院理工学研究科 開放環境科学専攻)
  • 石合 智貴(慶應義塾大学 大学院理工学研究科 開放環境科学専攻)
  • 本田 理央(慶應義塾大学 大学院理工学研究科 開放環境科学専攻)
  • 青木 汐里(慶應義塾大学 大学院理工学研究科 開放環境科学専攻)

3.採択金額

  • 3,600,000円

4.プロジェクト名

  • アニーリングマシンによる新規配送最適化手法の開発

5.応募部門

  • ベーシック部門

6.応募枠

  • 通常枠

7.関連Webサイト

  • なし

8.申請プロジェクト概要

本プロジェクトは配送最適化を通じて、全世代をつなげる輪(これをAgRingと呼んでいる)を作ることを目的としている。物流業界ではコロナ禍においてEC市場が拡大した。これからも、日本の人口動態の変化により買い物難民が増加し、あらゆる配送需要が拡大していくことが見込まれる。一方、配送事業者の人手不足により業務が圧迫され、配送サービスの改革が求められている。これらを解決するためには、配送コストが上昇しても顧客にとって魅力的な付加価値提供が求められる。
生活の利便性を格段に向上していくためには既存のEC等の配送システムに加えて新たな付加価値として、注文から「すぐに届く」という価値を提供する必要があると考える。「すぐに届く」は現状の配送システムでは困難なため、ローカル配送ネットワークを構築することを提案する。私たちは自分達の持てるシミュレーションおよび高速計算技術を活かし、今までにない複数地点配送における配送者アテンド、配送ルートを最適化するアルゴリズムを提案し、全体の配送ニーズに対して同時に最適化を行うことで既存の配送よりも早くて安価な配送を行うことを考える。そのためには大規模で複雑な配送の最適化をリアルタイムに行う必要があり、組合せ問題に特化した量子アニーリングマシンを用いた配送最適化アルゴリズムを開発する。本年度の目標は、ローカル配送ネットワーク最適化ツールのMVP (Minimum Viable Product)作成とする。

9.採択理由

ローカル配送ネットワークの最適化を支援するためのアプリケーションを開発するプロジェクトである.複数の店舗を複数の配送者が配送するためのルート最適化を、アニーリングマシンを利用したアルゴリズムで扱う戦略である。配送ネットワーク最適化を高速に解くことで、商品到着時間の短縮,配送料の低価格化を実現でき、できるだけユーザビリティの高いアプリケーションの開発に期待したい。
配送計画最適化手法自体は、アニーリングマシンを利用したアルゴリズムがすでに提案されているが、各論で複雑なチューニングが必要であるため、研究開発の必要性が大きい問題である。そのため、具体的なユースケースに対して問題設定を絞った開発を行うことで、ローカルではあるが使用されるアプリケーションが完成すると期待している。

更新履歴

  • 2023年5月29日

    2023年度採択プロジェクト概要(寺島・石合・本田・青木PJ)を掲載しました。