デジタル人材の育成
最終更新日:2023年6月2日
本プロジェクトでは、非住宅建築の外皮設計(外観デザイン)の最適化に取り組み、ZEB(一次エネルギー消費量が収支ゼロの建築物)を普及させることで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目的とする。
建築外皮(外壁・屋根・窓・カーテンウォール・日よけ等)の熱性能は、設計時に選択される建材とその面積の組み合わせの影響を受ける。熱性能の高い建材を多く選択すれば室内のエネルギー消費を抑えることができるが、性能が良いほど建材コストも高くなり、開口率も落ちてしまう。以上から建築物においては、統合的観点での省エネルギー検討を行いCO2排出量を減らしていく必要がある。
今回は建材構成の組合せ最適化問題を設定し、アニーリングマシンでの実装、そして建築設計者向けのAPI開発まで行う。サービスの利用により、各地域で求められる熱性能を満たしつつも、建材コストが最小な建築デザインの探索を、日本全国で可能にすることを目標とする。
建築物のエネルギー環境性能の基準であるZEBを満たす建物の設計を行うには、先進的な設備や素材を特定の制約条件の中で適切に組み合わせる必要がある。申請者の提案は、アニーリングマシンを活用して、ZEB実現に向けた材料や設備の複雑な組合せ最適化問題に取り組むものであり、環境に配慮した建築物の普及に大きく寄与する可能性がある。
この問題を扱うには組合せ最適化問題に関する知識だけでなく、建築に関する専門的な知識が必要となるが、申請者らは量子アニーリングを扱ったことがあるメンバーに加えて、建築の環境分野で研究経験のあるメンバーで構成されている。
未踏ターゲット事業では、アニーリングマシンを建築設計にどのように活用すると良いのか試行錯誤による探究を通してアニーリング技術について理解を深めながら、建築分野とアニーリング技術の双方の知識を合わせ持ったスペシャリスト人材として成長することを強く期待する。
採択者のうち、肥塚大輝氏は都合により契約締結に至りませんでした。
2023年5月29日
2023年度採択プロジェクト概要(豊田章一郎・豊田鈴・肥塚PJ)を掲載しました。
2023年5月31日
肥塚大輝氏の契約辞退について掲載しました。
2023年6月2日
棚橋プロジェクトマネージャーの所属を変更しました。