デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業:2021年度採択プロジェクト概要(望月PJ)

最終更新日:2021年6月25日

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 稲見 昌彦(東京大学 総長補佐・先端科学技術研究センター 教授)

2.採択者氏名

  • 望月 草馬(筑波大学 情報学群 情報メディア創成学類)

3.採択金額

  • 2,736,000円

4.テーマ名

  • 3Dプリンタで創る音の触感

5.関連Webサイト

  • なし

6.申請テーマ概要

現代において普及している非接触での情報伝達手段としては、視覚および聴覚に依存するものが多い。X Realityが普及する中、これではRealityを実現する技術として不足があると言わざるを得ない。装着型の触覚提示デバイスなども開発されているが、旧来のメディアと同様にそれ自身が巨大な存在感を持っているため、結果的にデジタルコンテンツと人の距離を引き離してしまう。

この問題を解決するデバイスとして音響放射圧を用いた非接触での触覚提示装置が存在するが、普及には至っていない。その理由は、装置の稼働に大量の並列演算資源を必要とし、高い技術力や多くの資金が必須であるため、研究開発並びに装置の入手・導入が難しいからである。

そこで本プロジェクトでは、3Dプリンタの造形物を用いた新たな超音波の位相制御手法により、非接触で触覚情報提示を容易に実現するソフトウェアとハードウェアを開発する。使用目的・環境に応じ、自作のソフトウェアで3Dデータを生成することにより、3DプリンタやCNCを用いて位相制御を行う構造体を容易に作製することができるため、本システムの汎用性は非常に高い。

本プロジェクトにより膨大な計算資源を必要としない安価で簡便な非接触型の触覚提示装置の提供が可能となるため、触覚提示技術の研究開発と普及の促進が期待される。

7.採択理由

コロナ禍の中、接触することなく触感を知覚可能な空中触覚ディスプレイは注目を集めている。申請テーマは収束超音波を用いた触覚ディスプレイに関するものであり、すでに東京大学、筑波大学、Sussex大学などで多数の超音波振動子を配列し、位相制御により任意の点に超音波を集束させる手法が継続的に研究されている。

本申請は、3Dプリントされた立体物を巧妙に用いることで簡便かつ安価に超音波を集束させることを可能とする、玄人はだしの提案であり、文句なしに採択に値すると判断した。

更新履歴

  • 2021年6月25日

    2021年度未踏IT人材発掘・育成事業:望月プロジェクト概要を掲載しました。