デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業(ユース):2009年度下期採択プロジェクト概要(代蔵PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

後藤 真孝(産業技術総合研究所 情報技術研究部門 メディアインタラクション研究グループ長)

2.採択者氏名

  • チーフクリエータ
    代蔵 巧(公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科)

  • コクリエータ
    なし

3.未踏プロジェクト管理組織

  • 株式会社ピコ・ナレッジ

4.採択金額

  • 3,000,000円

5.テーマ名

  • Webブラウジングの新しい形、WebsiTVの開発

6.関連Webサイト

  • なし

7.申請テーマ概要

本プロジェクトでは、テレビのように眺めているだけでWebブラウジングが出来るアプリケーションWebsiTVを開発する。

近年、家庭内に小さくて軽いネットブックと呼ばれる小型のインターネット専用ラップトップコンピュータが普及し、wifi環境も整い出しているため、家の中であれば、どこに居てもインターネットに接続しWebブラウジングすることが出来る環境が構築されている。そのため、ネットブックを家の中で持ち歩くことが当たり前になってきている人もいる。しかし、常に手の届くところ、つまり、視界に入る場所に置いているにもかかわらず、食事をしていたり、本を読んでいたりすると、ネットブックが近くにあったとしても目を向けられる可能性は低い。これは、Webブラウジングがユーザの操作によってのみ可能だということを暗に示している。また、ネットブックにWebサイトを表示していたとしても、集中して文字を読まないと内容を理解できないので、軽く眺める程度ではとうてい理解できない。

そこで、本プロジェクトでは、ユーザの操作なしにWebブラウジングをすることが出来、軽く眺める程度でWebサイトの内容を理解することが出来るWebsiTVを開発する。このシステムにより、普段行っているWebブラウジングのルーチンワークを自動化し、ふとした時に眺めることにより情報を収集することが可能になる。例えば、朝起きて、Webサイトで天気予報を調べ、前日に起こったニュースを確認し、友人のblogが更新されているか確認するなどの、一連の行動を自動化することができ、朝食を食べながら軽く眺めるだけですべてのことを確認することが出来るようになる。

そして、本システムを使用するユーザにとって、今までには無かった新たなWebブラウジングの経験を提供することを目指す。

8.採択理由

テレビのように眺めているだけでWebブラウジングが出来るアプリケーションWebsiTVを実現することで、操作なしに軽く眺める程度でWebサイトの内容を理解することを可能にしようという提案である。複数のWebサイト上の静的なコンテンツを、時間の流れと共に変化する動的なコンテンツにいかに変換するかがポイントで、各サイト上の重要で注目すべき箇所を手動もしくはソーシャルウェア(Twitter)等から自動で得て、様々な視覚エフェクトを用いて、一連のWebサイトの流れを汲んだ番組を生成する。そうした番組作りのレシピを様々なユーザが共有したとき、どのような使われ方をしていくのかを観察して改善するところまで、未踏期間中に取り組んで欲しい。

代蔵君は、WebブラウジングやWebアプリケーションに関連した実装経験があり、ライフスタイルを意識したアプリケーション設計を大切に考えているとのことで、本提案でも「WebsiTVのある生活」のような表現を使い、日々の生活に自然に取り込まれることを強く意識していた。まずは自分自身が毎日使える完成度に持っていくことが第一歩で、そのためには、十分に使いやすく便利でなければならない。しかもそこで終わることなく、様々なユーザが多様な視点でWebの番組化に取り組んでこそ本提案は面白く、そのプラットフォームを実現すべく、代蔵君の頑張りに大いに期待したい。