デジタル人材の育成
勝屋 久(Venture BEAT Project主宰)
チーフクリエータ
水林 亨介(グーグル株式会社)
コクリエータ
なし
本提案は、情報の発信時および利用時にユーザーの周囲に偏在するコンテキスト情報を有効に利用することで、ユーザーが必要としている情報に少ないコストで到達できる仕組みを提示します。その結果、より精度の高い意思決定とより品質の高い価値創造を実現できる世界を目指します。
総務省が行った「平成18年情報流通センサス」の報告書からも裏付けられる通り、近年利用の伸びが追いつかないほど情報の流通量が増えています。この調査は日本国内が対象ですが、これは世界的な傾向です。情報の利用者にとって、こうした膨大な情報から、より有用で利用価値の高い情報を効率良く選び取ることの重要性がますます増大していると言えます。
本提案では、Web 上の情報を { 時刻印, 緯度, 経度, 高度 } で張られるコンテキスト空間に対応付けて整理することを、増大する情報量に対するアプローチのひとつとして提案します。情報を指し示すURIと、“時間軸”や“場所”といったコンテキスト情報とを紐付けてストアすることで、コンテキスト情報を利用した情報の絞込みを可能とします。コンテキスト空間上の情報と、ユーザーのコンテキストとのマッチングをとることで、意思決定 / 価値創造に際してユーザーの情報利用シーンに沿った豊富な背景情報を提供することを目指します。
本提案はユーザーのコンテキスト情報を収集し検索UIを提供するクライアント・ツールと、それらコンテキスト情報を蓄積、分析するサーバー・サイド・アプリケーションからなります。
時間/位置/状況をCONTEXT情報ととらえて、人との結びつきを情報活用する点では、Twitter, Google Latitude, Yahoo! Fire Eagle, Brightkikeなどとは違った切り口で、差別化もできる可能性があるとみた。サービスのコンセプト作りから落とし込みまで課題はあるが、小学生からプログラミングを行い、修士課程ではRDFを用いた分散情報検索法の研究経験、6年間にわたりオラクル、リアルコムで情報共有システム開発に従事した経験が当テーマでいかされ、実現性にも期待が持てる。また、サービスの事業化の思い、期間中は当事業に集中することからやる気を感じられた。水林さんには、当サービスをグローバルを視野に展開できるようになってほしい。
採択者所属企業の都合により、契約締結に至りませんでした。