デジタル人材の育成
藤井 彰人(グーグル株式会社 エンタープライズ プロダクト マーケティング マネージャー、Mashup Awards 1-4 主宰)
チーフクリエータ
衣川 憲治(所属非公開)
コクリエータ
なし
現在、様々な情報家電や携帯電話、ガジェットと呼ばれるハイテク情報機器が販売されている。これらの機器は多くの機能を持ち、ユーザーのやりたいことを自由にできる環境を提供しているように思える。しかし、実際は情報機器の多様化は操作の複雑化を招いたり、価格の上昇を引き起こしていると考えられる。さらに、ユーザーが本当に多機能な情報機器を求めているのか、という疑問もある。私は、小さなデバイス単位に機能を分散化し、それぞれをインターネットを通して組み合わせることで、ユーザーが簡単な操作で自分の望む情報機器を作ることができるようになるのではないかと考えている。さらに、小さなデバイスをネットワークにつなぐことにより、遠隔地に存在するデバイスにアクセスすることも可能となる。これによる新しい遠隔コミュニケーションが実現される可能性がある。
本システムは、センサー、ボタン、モーター、LED、スピーカーといった入出力電子部品単体が個別に直接インターネットへアクセスできる環境、これらの部品を使って様々な Webサービスとマッシュアップして機能を定義するためのシステムを開発する。具体的には、機能ごとに細分化された小型デバイスはインターネットに直接接続され、継続的にデータがサーバへ集められる。このようにハードウェアを細分化することにより、機器の機能であるソフトウェアをハードウェアから分離し、サーバ上で機能の定義や様々なサービスとのマッシュアップを行い機能を自由に構築できる全く新しい実世界アプリケーション構築環境を作ることができると考えられる。
集約型センサーデバイスとは逆の発想で、デバイスのマッシュアッププラットフォームを構築するという発想が大変興味深い。また、複数デバイスのマッシュアップアプリの開発をサーバ側で行うという発想や、ネットワーク越しのアプリ開発など、その先進性にも注目したい。サーバ側マッシュアップツールの出来に大きく左右されるプロジェクトであるが、提案者の強い意志からも未踏として採択したい。