デジタル人材の育成
背景
近年,インターネットの高速化やストレージの大容量化に伴い,写真共有サイトが発達してきている.
そしてアップロードされた写真の一部は,再利用可能な著作権の形態によって公開されており,誰にでも編集が可能になっている.
こうしたウェブ上の資源を有効活用することは,従来のコンテンツ制作とは違う,新たな編集スタイルともいえるだろう.
だが,取得した大量の写真を処理しようとするとき,一貫性をもった処理をする必要が出てくると考えられる.
既存のシステムでは,主に一枚の写真に対して編集を行うように機能が設計されており,大量の写真を処理するような場合には向かない.
提案するシステムでは,主に複数枚の写真を処理するための手法を提案、実装を行う.
具体的には,写真群を3次元位置を推定して空間上にマップし,その上で編集を行うことで,一貫性を保った処理を行う.
作成するもの
複数の写真に対して,3次元的な位置を計算し,その位置関係を考慮して一貫性のある編集を行う.
主な機能としては次の2つを考えている.
3次元モデルを各写真に合成する.
写真の向きと画角によって,うつり方が変わる.
写真合成などの処理を一括して行う.
一枚の写真のある部分に処理を行おうとすると,他の写真の対応する部分に整合性のとれるような処理が行われる.
本田君は、ボランティア活動など多彩に行なっているし、学部はシステム創成学科で管理工学を学んでいたというように、守備範囲がなかなか広い。その提案は、Flickrサイト(写真共有10億枚以上)などの中にcreative commonsで公開されている多量の画像を活用する「新編集」技法の道具を作りたい、というものである。その主要なものは、同一被写体の一群の画像から3次元モデルを自動生成すること、そのモデルに対して様々な操作(他物体の追加、一部物体の除去など)が行なえること、特定対象モデルに対して施した操作を他の同様な対象に適用できるようにすること、である。第1の機能についてはデモ実演ができるところまで試作が進んでいる。デモでできたことを実用に堪えるレベルにまで仕上げるには相応の工夫と努力を要するが、新しい画像編集ソフトウェアとして広く使ってもらえるものを目指して仕上げてくれることを期待する。