デジタル人材の育成

未踏IT人材発掘・育成事業(ユース):2008年度上期採択プロジェクト概要(加藤史洋PJ)

1.担当プロジェクトマネージャー

  • 安村 通晃(慶應義塾大学 環境情報学部 教授)

2.採択者氏名

  • チーフクリエータ:加藤 史洋(電気通信大学大学院知能機械工学専攻)
    コクリエータ:なし

3.未踏ユースプロジェクト管理組織

  • リトルスタジオインク株式会社

4.採択金額

  • 3,000,000円

5.テーマ名

  • 現実の料理で見えない調理状態の推測を支援する料理シミュレータの提案

6.関連Webサイト

  • http://haselab.hi.mce.uec.ac.jp/index.php?%E5%8A%A0%E8%97%A4%E3%80%80%E5%8F%B2%E6%B4%8B

7.申請テーマ概要

「家でステーキを焼くと、どうしても硬くなっちゃう」と嘆いている人はいないだろうか。
我々人間はさまざまな調理加工を行ってきた。しかし、食べたい料理を思った通りに作ることはたやすいことではない。これは、調理が直接目に見えない要素が複雑に絡み合った物理化学的反応の集合であるためである。調理のプロは経験からこれらの調理状況を推測して調理行動を決定しているが、調理の初心者にとってこの経験を獲得する過程では失敗体験を積みやすく、なかなか楽しく調理を行うことができない。
そこで本提案では、食材の調理特性について現実よりも多くの情報を提示された状態で調理行動決定を繰り返す体験を積む調理支援シミュレータソフトを提案する。シミュレータを用いて原因を探りながら上手くいく経験を積むことで、現実の料理でも経験則を生かした調理ができる。
この支援ソフトにより、初心者でも調理行動のもたらす効果を知った上で調理ができる。調理を楽しみながら美味しい料理を作れるようになることで、個人的なもの作りに革新を起こす。また、食品の調理特性の理解をもたらし食育の推進にも貢献する。

8.採択理由

料理に関しては、日本はかなり進んだ国なのに、料理を扱うプログラムと言えば、レシピーに関するものがほとんどであった。今回の提案は、これとはまったく異なり、料理のシミュレーションをしようというものである。料理をやってみて分かることは、本で書いてあるのと、それを実際にやってみることでは大違いだということである。
その点、このシミュレータで、事前に料理の練習をしておくことは、本番の練習としても役に立つ。料理のシミュレーションを実現するためには多くの乗り越えなければならない壁もあるが、提案時点で、多少の準備があるようなので、後は、実際のプログラムとして、どこまで実装を頑張るかであろう。本プログラムが、うまい味付けで完成することを願っている。